こういうわけで、兵庫県の神鍋高原まで出かけました。
着いてしばらくすると激しい雨。あかんやん。もっとも、長く降り続くことはなく、宿の60センチ望遠鏡の説明を受けている最中に、少しの間晴れ間が。60センチ鏡と同架した屈折でアルビレオを見せていただきました。
この60センチ鏡の運用は、すごいのです。普通、これくらい大きい望遠鏡は自動導入が当たり前です*1。しかし、この望遠鏡は手でぶいぶい振り回すのです。鏡筒は数百キロありますが、バランスが見事に調整してあるので、片手で軽々と振り回せ、手を離すとぴたりと止まります。一応、導入装置はありますが、壊れているそうで、天体の赤道座標を調べるのに使う程度です。目盛環*2を使って手動で導入する方が早いので、導入装置など不要とか。
参加者の一人が持ち込んだ、HROの受信装置とHROFFTを見せてもらいました。HROFFTでリアルタイムに表示しているところは、まるでソナーです*3。即席で設置したのだけれども、数個の流星がうかったらしい。ところが朝になってから、持ってきた人も見たことがないという謎の電波を受信していました。なんだったんだろう、あの電波。
というわけで、悪天候は悪天候なりに面白い二日間でした。
土曜日の予定でしたが、天候が思わしくなくて一日延期になりました。でも日曜日も雲だらけでした。夜明けが近くなってやっと晴れましたが、自分の望遠鏡は出さずじまいです。同じ頃、福井県では豪雨だったんですね。
夕方、きれいな夕焼けになったので、みんな写真を撮ってました。私も携帯で無理矢理撮影。どうやら写った。色はちょっと変だけど。
NHKのニュースで「交点ハンター」なる報道が流れてから、いきなり「交点 NHK」とか「交点 GPS」での検索が何件も。すごい影響力だ。この編集後記のどこかに「交点」なるキーワードが潜んでいるのでしょうね。
GPSを使って経緯度交点を探り当てるというものだそうで、世界中で流行しているそうです。ニュースで「GPSがあって可能になった」と言ってましたがまさにそうでしょう。GPSによって素人でも高精度の測位ができる、という以上に、世界で共通の測地系が自然と使われる点が重要ではないかと思います。日本で行おうとする人は、くれぐれも日本測地系を使わない方がいいでしょう。
なお、私は交点ハンターではありません。携帯はGPS付きだけど。
なるほど、この2つのキーワードを並べてgoogleで検索したら、2002年12月8日の記事が一番に出てきました。納得。
7月24日が締切とのこと。さて、面と向かって聞かれると意外と思いつかない。思いつかない理由は、星見の体験と結びついた曲が少ないからだと気がつきました。星と関係ないところならいろいろあるのに不思議だ。
そういえば初期の遊佐未森は星見をしている人の間で人気があったことがあります。2002年の似た企画でも2曲ほどあがっていますね。
しかし、記憶をたどっていくと、「まほろば」(さだまさし)があります。大学の頃でしたか。平城京の大極殿跡で、月を眺めて酒盛りしながら歌ってたりしたものでした。よし、これにしよう。
久しぶりに親戚の子供たちが遊びにきたので、姫路市立水族館へ行きました。
ここはウミガメが有名。いまも何匹かのウミガメが飼われています。さすがウミガメは、大きいんですが、それでも浦島太郎やカメ仙人が乗るにはまだ小さい。
隣の水槽では、ちょうどペンギンが餌をもらっているところで、それを見ようと家族連れが群がっていました。この暑いのに、ご苦労様です>ペンギンたち。
次にタッチコーナーへ移動。ここでは、水の生き物に直接手で触れることができます。いるのは、ウニ、ヒトデ、ナマコ、それにサザエなど。ヒトデは思ったより固いのですが、逆にナマコは、思ったより固いんだけど表面はヌメヌメしてます。子供らも最初はこわごわと、でも触ってみると大喜びでした。
そして、室内に移動して、いろんな水槽を見て回りました。
そんなに珍奇な魚はいませんが、フナ、コイ、アジ、タイなど、名前はよく知っているけど、意外に生きて泳いでいるのは見たことがない、そういう魚が多く飼われています。
カエルが一杯いたのですが、実は今年は国際カエル年なのでした。知らなかったです。カエルと言えばツボカビ病の流行で危険な状態にありますが、実は両生類全体が急速に減少しているそうです。そこで、絶滅の危機に瀕した両生類を飼育して再び生息域に戻すなどの対策があり、それらを支援するための「両生類方舟プロジェクト」がたちあげられているとか(IUCN日本委員会のメッセージより)。ツボカビ病への家庭でできる対策なども掲示されていました。ツボカビ病は飼育下では治療可能とのこと。飼っているカエルが調子が悪いからと言って捨てないように。
ペットと言えば、この地方の池などで捕獲されたという、ワニみたいな姿のアリゲーターガーやら、巨大なカメやらも、ここで保護されて飼育されています。知りませんでした。
いずれも小さいときに飼われて、大きくなってから扱いきれなくなって捨てられたと推測されています。そりゃたしかに、こんなのは普通の家では飼えないでしょう。飼い主の責任もあるでしょうが、そういう生き物を平気で売るペットショップにも問題があると思います。
須磨水族園や海遊館などと比べると小さな施設ですが、身近な生き物を身近に見ることができるところでした。入館料は大人200円です。安いです。経営成り立つのかな。
ここで、ふじ丸の船内を紹介します。一部、ふくださんから画像の提供をいただきました。
各甲板の名称は、船により呼び方があるようですが、ふじ丸の場合、単純に「一階」「二階」という呼び方になっています。ある意味船らしくありませんが、陸上者(おかもの)にはわかりやすいです:)。この考え方で地下一階、地上八階建てということになります*1。
地下一階
(ふくださん提供)
フィットネスセンター。
一階
(ふくださん提供)
シアター。映画上映が行える施設です。クルーズ中は、研究者などが講演するサイエンストークや参加者が自由に発表するフリートークなどの会場として使われました。
また、一階にも乗船口があり、二階のメインエントランスと階段でつながっています。
二階
(右側の写真はふくださん提供)
メインエントランス。乗船口から乗り込むと最初にこの場所にやってきます。写真で見るより実際はこじんまりした印象ですが、3階との吹き抜けになり、豪華に装飾されています(写真はいずれも3階から撮影)。
船や添乗員のカウンターがあり、また、インフォメーションボードが置かれたりして、航海中はいつも賑わっていました。
メインエントランスから船首側にパシフィックホール、船尾側にダイニングレストランがあります。
(ふくださん提供)
メインホール「パシフィックホール」。ふじ丸はチャーター船として研修旅行など様々な用途に利用できるようになっています。そして、講演会やコンサートなど、乗客全員を集めての大きなイベントを開催できる多目的ホールを設けています。とても船の中とは思えない広さがあります。
三階 船首側から順に。
(ふくださん提供)
サロン。船の幅いっぱいに作られた部屋で、大きな窓が設けられたパブリックスペースです。暇なときはだいたいここでまったりとしていました。
(ふくださん提供)
図書室。サロンの続きにあります。
「ベランダ」と呼ばれるスペースです。写真のさらに右は、大きな窓際にテーブルが並べられた通路になっています。展示スペースとして使え、クルーズ中、大西浩次さんの写真が展示されていました。ちなみに、写っているのはアクアマリンの二人です。
実は船内で最も涼しい場所でした。
談話室(左)、カードルーム(右)。セレブな人はカードルームでポーカーなどに興じるのでしょうか。ただし、奥にあるのは麻雀卓です。
(ふくださん提供)
ショップ。
(ふくださん提供)
ラウンジ。3階の船尾にあります。毎日午後はここでアフタヌーンティ、夜にはコンサートの会場となりました。
3階には他にも和室やバーがあります。和室はお茶の提供や琵琶の演奏などが行われていたようです。
4階~6階
客室が並びます。上の階に行くほど高い部屋になります。私たちの部屋は最も安いステートルーム4人部屋です。
ステートルーム。
ちなみに、船で最も安い部屋というと、いわゆる「2等船室」、船底の大部屋がイメージされますが、そういう部屋はありません。クルーズ客船の場合、部屋の等級によって食事が違ったりもするのですが、ふじ丸の今回のクルーズの場合どうだったかはよくわかりません。
各部屋の違いは、「客室タイプのご案内」を参照してください。
6階船尾にあるスポーツデッキは最も広い甲板です。日食観測時は最も大勢を収容します。また、夜間の観望会もここで行われました。
洗濯室もあります。長旅だと必須です。一度だけお世話になりました。
7階
ここは船室はありません。操舵室と船員用のスペースがあります、乗客が入ることのできる場所としては、「サンデッキ」とよばれる屋外のスペースがあります。日食観測時は撮影機材で重装備した人たちがここに入りました。
8階
最上階になります。クルーズ客船といえばつきもののプールのあるスペースです。
プールデッキの続きにあるスカイラウンジ。結局一度も行きませんでしたが・・・
タイタニックか
*1 もっと「地下」があるはずですが、乗客の出入りできるスペースとしてはこれだけということになります。
本ツアーは兵庫県立大学の社会人向け公開講座の一つです。ということで、講座が3コマあり、出席しなければなりません。ちなみに、3コマ目は日食観測実習、本ツアーの目的である22日の日食観測となっています。
他2回の講座が21日にあり、午前は「皆既日食とその観測」(黒田武彦)、「父島の地質」(先山徹)、午後は「太陽の正体を探る」(石田俊人)、「海洋島の動植物-特異さと脆さ-」(大谷剛、以上敬称略)でした。
一見関係ない講座が含まれているように見えますが、今回のツアーでは、観測終了後、父島へ立ち寄ります。上陸したときの興味が増すというものです。
・・・後で、「日食撮影失敗談とかそういう有意義な話をすればいいものを、くだらん講座を聞かされた」みたいなことを周囲に話している人を見かけたのですが・・・狭い人もいたもので(^^)
午前の講座終了後、観測場所の割り当てが行われました、
私たちほしとも組は、他の科学館友の会や同好会などのグループ参加組と共に、トップデッキを割り当てられました。
トップデッキは、本来は船員以外立ち入り禁止の場所です。航海用の機器があるうえに、手すりが低い、日陰はない、風が吹いても遮るものがない(その分視界は広い)、さらに、ここへ行くには狭い通路と急な階段を進まなければなりません。
さんざん脅されながら、ともかく行ってみました。
ここへたどりつくのは思ったより大変ではありません。そして何より広い。
ですが、日射から逃げる日陰がない点や、ほしともには子供もいることなどから、ここを使うのは断念しました。
結局、他の観測場所に各自散っていき、多少とも機材のある私たちはプールデッキに加えてもらうことになりました。
出港からここまで、船はずっと曇天の中を進んでいます。観測予定海域は果たして晴れているのでしょうか。
予定航路。北硫黄島の沖合に向かって進んでいます。
ここで朗報が。どうやら小笠原諸島南の皆既帯付近は晴れているらしいとのこと。
一方で、トカラ、上海、本土の天候は悲観的とのことです。それぞれ仲間がいるので、心配です。他の地域でも日食が見られればいいのですが。
夕食は、洋食の場合、フルコースです。
一般に、クルーズ客船ではドレスコードが定められていたりするのですが、本航海では特に定めがありません。ですのでTシャツにジーンズでテーブルに着きます。ちょっと場違いな気がしなくもありません(^^;
日が暮れて、ふと思いついて外に出てみました。
ん、晴れてるし。
目が慣れると、多数の星と天の川が見えてきました。
部屋に戻り、双眼鏡を持って引き返しました。他の人たちも出てきました。
天の川が濃い。だいたい、双眼鏡で見ると、星がいっぱいというのは分かるものです。でも、この時見た天の川は、無数のぬか星の背景に濃淡がついています。
水平線に木星。その木星の影が海面に出来ています。
船尾のスポーツデッキでは観望会が開かれていました。本土でも乗鞍や大台ケ原はこんなでしょうか。こちらは海の上なので湿気があるかもしれませんから、もっとすごい?
で、その新車で夕方天文科学館へ。天体観望会、今日は天ボラとして観望会を担当することになっています。
今月のテーマは土星。しかし、雲が広がり、観望は難しい様子。曇天もしくは雨天を前提に準備を行います。16階の見学のほか、2台の望遠鏡を玄関前に出し、明石海峡大橋などを見てもらうつもりで用意しました。
16階の担当は私とあと一人がつきました。プラネタリウム投影の後、観測室へ。
電源を入れるところまで準備して、もうさっそくお客さんに入ってもらいます。説明をしながら目の前でドームのスリットを開け、また望遠鏡を土星に向けてみます。やはり外は曇り。ところが、よく見ると天頂付近にアークトゥルスが。
「見えないんですが」と断りながら、お客さんに望遠鏡を覗いてもらいます。ところが、あるお子さんの時に、一瞬、土星が見えました。
一同沸き立ちますが、結局見えたのはそのお子さんだけ。
いつもの曇天時は、ここまで上がってこられるのはせいぜい1グループだけなのでのんびり構えていましたら、そこへ、まだ下に6グループ待機しているとの情報が(!)。慌てていまのグループの人には降りてもらい、第2グループに上がってきてもらいます。
あとはグループごとに軽く説明して、「見えたら奇跡です」とお断りしながら望遠鏡を覗いてもらい、次のグループと入れ替えを繰り返します。1人だけに見えた土星は、なかなか姿を表しません。
ところが、最後から2つ目のグループで、ある男の子が「あ、見えてる!」と言いました。少しやんちゃな子で、周囲は誰も信じないようでしたが、替わってもらって覗くと、確かにいます!
また雲に隠れないうちにと、ピント調整もそこそこに急いで覗いてもらいます。お客さんたちも幸運に感激して降りて行かれました。
最後のグループが登ってこられたのはもう21時前でした。土星は、肉眼では全く見えませんが、望遠鏡では安定して見えつづけています。「ここまで待った甲斐があった」とあるお客さんが満足そうに言われました。
後で下の担当だった人に聞くと、玄関前では天頂付近に星が見えていたので、帰ろうとしたお客さんも「これは見られるんじゃないか」と期待してそのまま残られていたとのこと。前半の人たちは残念でしたが、こればかりはどうにもなりません。
★ に [ウミガメはカワイイです、特に子ガメ。]
★ (ふ) [そういや、一緒に泳いでるんですよね。]