ここで、ふじ丸の船内を紹介します。一部、ふくださんから画像の提供をいただきました。
各甲板の名称は、船により呼び方があるようですが、ふじ丸の場合、単純に「一階」「二階」という呼び方になっています。ある意味船らしくありませんが、陸上者(おかもの)にはわかりやすいです:)。この考え方で地下一階、地上八階建てということになります*1。
地下一階
(ふくださん提供)
フィットネスセンター。
一階
(ふくださん提供)
シアター。映画上映が行える施設です。クルーズ中は、研究者などが講演するサイエンストークや参加者が自由に発表するフリートークなどの会場として使われました。
また、一階にも乗船口があり、二階のメインエントランスと階段でつながっています。
二階
(右側の写真はふくださん提供)
メインエントランス。乗船口から乗り込むと最初にこの場所にやってきます。写真で見るより実際はこじんまりした印象ですが、3階との吹き抜けになり、豪華に装飾されています(写真はいずれも3階から撮影)。
船や添乗員のカウンターがあり、また、インフォメーションボードが置かれたりして、航海中はいつも賑わっていました。
メインエントランスから船首側にパシフィックホール、船尾側にダイニングレストランがあります。
(ふくださん提供)
メインホール「パシフィックホール」。ふじ丸はチャーター船として研修旅行など様々な用途に利用できるようになっています。そして、講演会やコンサートなど、乗客全員を集めての大きなイベントを開催できる多目的ホールを設けています。とても船の中とは思えない広さがあります。
三階 船首側から順に。
(ふくださん提供)
サロン。船の幅いっぱいに作られた部屋で、大きな窓が設けられたパブリックスペースです。暇なときはだいたいここでまったりとしていました。
(ふくださん提供)
図書室。サロンの続きにあります。
「ベランダ」と呼ばれるスペースです。写真のさらに右は、大きな窓際にテーブルが並べられた通路になっています。展示スペースとして使え、クルーズ中、大西浩次さんの写真が展示されていました。ちなみに、写っているのはアクアマリンの二人です。
実は船内で最も涼しい場所でした。
談話室(左)、カードルーム(右)。セレブな人はカードルームでポーカーなどに興じるのでしょうか。ただし、奥にあるのは麻雀卓です。
(ふくださん提供)
ショップ。
(ふくださん提供)
ラウンジ。3階の船尾にあります。毎日午後はここでアフタヌーンティ、夜にはコンサートの会場となりました。
3階には他にも和室やバーがあります。和室はお茶の提供や琵琶の演奏などが行われていたようです。
4階~6階
客室が並びます。上の階に行くほど高い部屋になります。私たちの部屋は最も安いステートルーム4人部屋です。
ステートルーム。
ちなみに、船で最も安い部屋というと、いわゆる「2等船室」、船底の大部屋がイメージされますが、そういう部屋はありません。クルーズ客船の場合、部屋の等級によって食事が違ったりもするのですが、ふじ丸の今回のクルーズの場合どうだったかはよくわかりません。
各部屋の違いは、「客室タイプのご案内」を参照してください。
6階船尾にあるスポーツデッキは最も広い甲板です。日食観測時は最も大勢を収容します。また、夜間の観望会もここで行われました。
洗濯室もあります。長旅だと必須です。一度だけお世話になりました。
7階
ここは船室はありません。操舵室と船員用のスペースがあります、乗客が入ることのできる場所としては、「サンデッキ」とよばれる屋外のスペースがあります。日食観測時は撮影機材で重装備した人たちがここに入りました。
8階
最上階になります。クルーズ客船といえばつきもののプールのあるスペースです。
プールデッキの続きにあるスカイラウンジ。結局一度も行きませんでしたが・・・
タイタニックか
*1 もっと「地下」があるはずですが、乗客の出入りできるスペースとしてはこれだけということになります。
本ツアーは兵庫県立大学の社会人向け公開講座の一つです。ということで、講座が3コマあり、出席しなければなりません。ちなみに、3コマ目は日食観測実習、本ツアーの目的である22日の日食観測となっています。
他2回の講座が21日にあり、午前は「皆既日食とその観測」(黒田武彦)、「父島の地質」(先山徹)、午後は「太陽の正体を探る」(石田俊人)、「海洋島の動植物-特異さと脆さ-」(大谷剛、以上敬称略)でした。
一見関係ない講座が含まれているように見えますが、今回のツアーでは、観測終了後、父島へ立ち寄ります。上陸したときの興味が増すというものです。
・・・後で、「日食撮影失敗談とかそういう有意義な話をすればいいものを、くだらん講座を聞かされた」みたいなことを周囲に話している人を見かけたのですが・・・狭い人もいたもので(^^)
午前の講座終了後、観測場所の割り当てが行われました、
私たちほしとも組は、他の科学館友の会や同好会などのグループ参加組と共に、トップデッキを割り当てられました。
トップデッキは、本来は船員以外立ち入り禁止の場所です。航海用の機器があるうえに、手すりが低い、日陰はない、風が吹いても遮るものがない(その分視界は広い)、さらに、ここへ行くには狭い通路と急な階段を進まなければなりません。
さんざん脅されながら、ともかく行ってみました。
ここへたどりつくのは思ったより大変ではありません。そして何より広い。
ですが、日射から逃げる日陰がない点や、ほしともには子供もいることなどから、ここを使うのは断念しました。
結局、他の観測場所に各自散っていき、多少とも機材のある私たちはプールデッキに加えてもらうことになりました。
出港からここまで、船はずっと曇天の中を進んでいます。観測予定海域は果たして晴れているのでしょうか。
予定航路。北硫黄島の沖合に向かって進んでいます。
ここで朗報が。どうやら小笠原諸島南の皆既帯付近は晴れているらしいとのこと。
一方で、トカラ、上海、本土の天候は悲観的とのことです。それぞれ仲間がいるので、心配です。他の地域でも日食が見られればいいのですが。
夕食は、洋食の場合、フルコースです。
一般に、クルーズ客船ではドレスコードが定められていたりするのですが、本航海では特に定めがありません。ですのでTシャツにジーンズでテーブルに着きます。ちょっと場違いな気がしなくもありません(^^;
日が暮れて、ふと思いついて外に出てみました。
ん、晴れてるし。
目が慣れると、多数の星と天の川が見えてきました。
部屋に戻り、双眼鏡を持って引き返しました。他の人たちも出てきました。
天の川が濃い。だいたい、双眼鏡で見ると、星がいっぱいというのは分かるものです。でも、この時見た天の川は、無数のぬか星の背景に濃淡がついています。
水平線に木星。その木星の影が海面に出来ています。
船尾のスポーツデッキでは観望会が開かれていました。本土でも乗鞍や大台ケ原はこんなでしょうか。こちらは海の上なので湿気があるかもしれませんから、もっとすごい?