ガーネットスターはケフェウス座にある星です。3.43等から5.1等まで変光する脈動変光星ですが、この星が観望会のテーマに選ばれたのは、この星が赤いから。
M2型の低温の星で、そのため赤く見えます。この星を観測したウィリアム・ハーシェル*1が「印象的なガーネット色」と表現したことから「ガーネットスター」と呼ばれています。実際見た感じはオレンジ色っぽく見えます。Wikipediaによれば観測されている中で8番目に大きく、直径は太陽の1420倍。ガーネット・スターを太陽の位置に持ってくると、土星軌道もすっぽりと収まってしまう大きさです。
今日は16階の担当につきました。ということは私がガーネット・スターを導入しなければならないのですが、そこは自動導入だから楽勝でしょう(^^)。
ところが朝はよく晴れていたのに夕方は雲に覆われてしまいます。プラネタリウム解説のあと、16階に上がってスリットを開けてみると、ああ、曇ってる・・・
ともかくもガーネット・スターの方向に望遠鏡を向けます。フォークマウントで、対象が北にあるので、鏡筒がそっくり返り、あんまり見たことのない姿勢に。もうちょっと低かったら接眼部を覗けなくなるところでした。
雲の具合は、もう少し明るい天体なら透かして見えそうな程度なのですが、ちょっと厳しい。スタッフのSさんが望遠鏡見学に切り替える旨連絡を入れました。そして第1班20人ほどが入場してきます。
曇っているのでガーネット・スターは見られないことを最初に詫び、簡単に望遠鏡の説明、そして、「見えないと思いますが」と断りを入れながら、接眼部を覗いてもらいました。
ところが、第1班の残り5人ぐらいのところで、「なんか見えてるんですけど」と。代わって覗いてみると、見えた! なんと雲が切れ、ガーネットスターが姿を表しました。
以後、どんどん雲が晴れ、残りの人全員に見ていただくことが出来ました。最初に曇っている間に覗かれた人には申し訳なかったのですが、下で、見えるようになったことを案内してくれたりしたために、幾人かは戻ってこられました。
スムーズに進んで午後8時過ぎには終了。ずいぶん早く終わったと思いましたが、冬時間で1時間開始を早めています。ですので正味の時間は夏とあまり変わっていないようです。
前回16階を担当した時も、途中から見え始めたのでした。どうせなら最初から最後まですっきり晴れるか、すっぱりあきらめが付くくらい悪天候か、どちらかにしてほしいものです。
*1 天王星の発見者