編集後記


2011年07月16日(土) [長年日記]

海のトリビアと海上保安庁の天文資料展

16日から始まった、天文科学館の特別展

海上保安庁海洋情報部は海図や水路誌の作成などを任務としている部署で、以前は海上保安庁水路部という名称でした。

海洋情報部といえば初日の出の時刻を知るのにお世話になった人もいるかも。

航海中の船の位置を知るには、現在はGPSがありますが、昔から天体観測で位置を求める方法が行われてきました。そんなわけで航海と天文はかかわりが深く、海洋情報部には貴重な天文資料が収蔵されています。

今回その一部が天文科学館で特別展示されています。

目玉はスティックチャートでしょうか。ミクロネシアのマーシャル諸島では、ヤシの枝と貝殻や小石を組み合わせて作った海図が伝えられています。貝殻や小石で島の位置を、ヤシの枝は海流の方向などを表しています。

見てみると思ったより大きい。実際に航海に持ち出したのではなく、航海の勉強用に使用したもののようです。

他にも伊能忠敬の地図の模写(原図はすでに焼失)の模写や、19世紀中頃の世界地図(なんの変哲もないように見えますが、実は・・・)、六分儀など航海用の天体観測機器が展示されています。

14階にも展示があります。震災前、14階には船舶用レーダーが設置されていましたが、今回、AIS受信機が設置されています。

パソコンの画面に、明石海峡周辺を航行中の船の位置と進行方向、名称がリアルタイムで表示されます。船舶から発信される情報に基づいているので、レーダーとはまた異なります。

また、展望室から見えている船全てが表示されているわけではありません。たとえばジェノバラインは表示されず、もしもたこフェリーが運行していたら、こちらは表示されただろうとのこと。

AISといえばこんなものを発見 → ライブ船舶マップ-AIS-船舶動静ならびに船舶位置

また、14階には海上保安庁の業務紹介などが展示されています。東日本大震災での活動は、震災直後はもちろん現在も進行中ですが、阪神大震災でも大きな活躍をされています。神戸港に巡視船が集結している写真などが掲示されていました。

プラネタリウムと夏の星座天体観望会

年に数回、JAF兵庫支部の主催による天体観望会が明石市立天文科学館で開催されています。

対象はJAF会員。いわば天文科学館をを借りきってのイベントです。その都度星の友の会にもお手伝い要請があって、何度か協力したことがあります。

この夏も、7月16日と8月24日に予定されています(詳細)、天ボラの天体観測グループに活動要請があり、私も活動に参加予定です。

今日は私は午後から展示解説、一旦外に出て、18時に戻りました(お客さんの受け付けは18時30分から)。

観望会の流れは、いつもの館の天体観望会と変わりません。まずプラネタリウムで解説があり、それから約20人ずつのグループにわかれて順次16階の40センチ望遠鏡を覗いてもらいます。時間待ちのお客さんは4階の日時計広場で小型の望遠鏡で観望します。

天ボラは日時計広場の小型望遠鏡を担当します。望遠鏡3台。16階では土星を見せるということなので、それ以外の天体に向ける予定。

お客さんは100名。これは定員で、実際の応募は200名ほどあり、抽選したとのこと。かなり人気のイベントなのです。

梅雨明け以来、晴れる日が多くなっています。16日もほとんど雲がありません。しかし、プラネタリウムが終わった時点ではまだ明るく、ベガぐらいしか目視できません。とりあえず望遠鏡全部ベガにむけ、暗くなってきたら他の天体に向けることにします。

後半、私はアルビレオに切り替えました。

月が昇ってきて、広場からも見えるようになってきたので、3台とは別に出ていたコルキットを月に。微動雲台が欲しい。

21時頃には最後のお客さんも広場から去り、撤収しました。


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