先日のサイエンスカフェでは、小さな点々がだんだん集まって微惑星になっていくシミュレーションについ見入ってしまいました。
また、小久保さんは4D2Uにかかわっておられたということもあり、Mitakaの投影も。
このMitakaは、実際の観測で得られた天体の位置をプロットしてある、いわば最新の宇宙の全体地図なわけです。
最遠の位置からみると、無数の銀河がいくつものきれいな扇形に配置されています。本当に扇形に分布しているわけではなく、観測された範囲だけがプロットされているからなんですが、これって、適当に星をちりばめたただのCGではない、というその証拠みたいなものです。人類が知る天体のすべてがここにあります(かなり大袈裟)。地理学専攻なので地図はいっぱい見たつもりだけど、これだけスケールの大きい地図は知らない。それだけでわくわくものです。
しかし、実は、意外とMitakaは人気がありません。先日のホスピス観望会でも上映したようなのですが(別の現場にいたので詳細はわかりません)、後のアンケートでは、あまり面白くなかったという感想がありました。同時に実施した天体写真のスライド投影の方がよかった、とのこと。
また、某天文同好会でも「MitakaよりGoogle Skyだ」という声があります。GoogleSkyは、要するに巨大な全天天体写真、さらに多くの天体の画像が配置されていますから。
でも、4D2Uの上映(私は京都で見ました)などでは、Mitakaは評判がいいようです。サイエンスカフェでもそうでした。
「面白くない」と言われた場合との違いは、解説の有無、ではないかと思います。
Mitakaは、どういうものかきちんと理解していなければ、ただのCGとしか見てもらえないように思います。自分でPCにダウンロードした場合は、当然誰も解説などしてくれませんから、わけもわからず動かしてみて「ふーん」で終わってしまうのでしょう。それに対してGoogleSkyは一目瞭然です。
私はどちらが好きかといわれると、実はMitakaです。GoogleSkyも、一見星がない空間をどんどん拡大していくと思わぬ銀河が現れたりして面白いのですが、でも、GoogleSkyでFukuharaを探そうとは思わない*1(^^)
ただそれは、Mitakaのデータがどういうものかわかっていて、それに意味を感じているから言えることです。微惑星のシミュレーションも、それと知らなければ、ただの説明用のCGアニメーションという認識で終わっていたでしょう。
実はこれって、私が、科学館や博物館で、コンピュータ仕掛けで展示などを動かすことに懐疑的な理由でもあります。コンピュータを使ったら、肝心の、動く仕組みの部分がブラックボックスになってしまうのですよね。ピタゴラ装置(もしくはわくわくスイッチ)みたいに、動く仕掛けが見えないとわからないし面白くない。
*1 Mitakaでも探すのは至難の業ですが、でもそこにプロットされているはずなのです。