編集後記


2013年03月30日(土) [長年日記]

三ツ山大祭の「置山」を見てきた

姫路城の南東側に、総社と呼ばれている神社があります。正しい名前を射楯兵主神社(いたてひょうずじんじゃ)、射楯大神(いたてのおおかみ)と兵主大神(ひょうずのおおかみ)を御祭神としてお祭りしています。

今年、この総社で、20年に一度の三ツ山大祭が行われます。3月31日から4月7日まで。藤原純友の乱・平将門の乱を鎮定するために執り行われた祭礼に由来するといわれ、当初は不定期でしたが、天文2年(1533年)、播磨国守護職赤松政村によって20年に1度と定められました。それから数えて今年で22回目。単に22回というと神社の祭礼としてはずいぶん歴史が浅いように思われそうですが、20年に一度ですから。

このお祭りでは、門前に「置山」とよばれる3つの「山」を臨時に築き、それぞれの山の頂上に祠を設けて神様をお迎えします。本殿の祭神である「射楯神」「兵主神」は、神門の上に臨時に設けられた祠(門上殿)で、置山にお迎えした神々を出迎え、接遇し、共に国の平安と発展を祈る、ということになっています。

祭礼前日の30日、この置山を見に行ってきました。なにせ20年に一度、私の生涯でも過去2回しか開催がなく、どちらも見なかったので、今回初めて置山を目にすることになります。

南側、国道2号線の方から回って鳥居をくぐると、見えてきました。

でかい・・・・

置山は高さ18メートル、直径10メートル。これが3つあります。今回は安全を考えて鉄骨で建築されたとのこと。

一番東にあるのが「二色山」

一説には富士山を模したといわれており、白と浅黄色の2色の布で巻いて、「富士の仁田四朗の猪退治」の人形飾りが飾られています。植えてある松は本物。

猪退治の図

山頂には神様を迎える山上殿

真ん中は「五色山」。緑、黄、赤、白、紫の五色の布で巻かれ、飾り人形は源頼光の大江山の鬼退治。

そして一番西は「小袖山」。

この小袖山が一番派手です。パッチワークのように見えるのは小袖の着物

この着物は一般からの寄付で集められたもの。話によると一千枚必要なところ四千枚集まったとか。古着のようですが、中にはこういう豪華そうなものも。

そして飾り人形は俵藤太の三上山のムカデ退治。

うねうねと長いムカデが山を取り巻いています。

こちらは、神門の上に設けられて「射楯神」「兵主神」が置山の神々を出迎える「門上殿」

古来、山は神が降臨される神聖な場所とされ、その「山」を人工的に作ったのが置山となります。これが時代を下って、祇園祭などの曳山へと変化していったと考えられているとのことで、かなり古い祭礼の形式が残っているわけです。総社の置山は文化庁長官により選択無形民俗文化財に選ばれています。

期間中、祭事のほか、関連のイベントがいろいろ開催されるようで、たとえば4月1日には横綱の白鵬関が総社で土俵入りを奉納します。そして大相撲姫路場所が姫路市立中央体育館でを開催。

また市内の10ヶ所に「造り物」の展示があります。近隣の学校や自治会などが人形飾りを展示しています。

御幸通りでみつけた、龍野北高校による、安倍晴明vs蘆屋道満の陰陽道対決。

目が光っていてちょっと怖い(^^)。

市立姫路高校の、宮本武蔵による妖怪退治。

地元自治会による、書写山円教寺を創建したと伝わる性空上人の霊験の一つ

これはなんと陸上自衛隊の作。野見宿禰の相撲取り。

ちょっとあなた、驚きすぎです(^^)


※この日記を書くにあたり、山陽電鉄の沿線ガイドブック「ESCORT」、射楯兵主神社Webサイト三ツ山大祭のWebサイトを参考にしました。


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