編集後記


2013年03月25日(月) [長年日記]

「第3回星なかまの集い~天文楽サミット~」雑感

2013年3月2日~3日、「第3回星なかまの集い~天文楽サミット~」を開催しました。

その内容については公式サイトの開催記録を見てください。参加者からの詳しいレポートは記録の下の方にリンクが。

ここでは実行委員長としての雑感みたいなものを書いてみたいと思います。

今回の会場となった西脇市立青年の家は、もう10年以上も前に開催された、「天文アマチュアの集い」の会場でした。「星なかまの集い」のモデルとなったイベントです。ある意味原点回帰と言えます。

「天文アマチュアの集い」の当時と比べると、自動車での交通の便はよくなりました*1。鉄道でのアクセスは相変わらずで、今回も特に遠方の人など、鉄道での来場を希望する人が多くて、内心ひやひやしたものです。実際、大変な思いをしたらしい人がここに→観測所雑記帳:遥かなり西脇(準備編) 観測所雑記帳:遥かなり西脇(行動編)。いや彼にとってはむしろ楽しかったのではないかと・・・(^^)

前回もそうでしたが、会場選定で一番困るのが、実は交流会です。100名近くの人が深夜まで飲み食いできる会場などそうそうありません。青年の家は、「青少年」でなく「青年」とついているだけあって、飲酒は別に問題ありません。ただし、公共の施設ゆえのさまざまな制約があります。時間と場所だけでなく、飲食物の調達やその扱いなどもかなり無理を通させてもらい、迷惑をかけました。第1回を開催した西はりま天文台だったらそういう制約は・・・と思うかもしれません。西はりま天文台で交流会に使った部屋は本当は飲食禁止です。

今回、研究・活動発表をポスター発表のみにしました。第1回、第2回は口頭発表があったのですが、2日目の時間はほとんどそれで潰れ、その間ほとんどの参加者はただ座って話を聞くだけでしたので、ちょっと自由がききません。そこで口頭発表をやめたのですが、時間を持て余した人もいたようです。個々の発表内容に強く興味を持って積極的に質疑に加わるなどしないと、確かに時間が余るかもしれません。その意味では、ポスターセッションの時間は「初心者」に優しくない時間でした。

一方、分科会は好評でした。「全部に参加したい」という声も聞かれたほどで、本当に二部制などにしたほうがいいかもしれません(同じテーマを二回というわけにはいかないと思いますが)。

最後に森本奨励賞。今回の審査は、分科会の間、手の空いている実行委員全員を集めて行いました。また、講演会講師の東山さんにも、あらかじめ、推薦する発表を選んでおいてもらいました。

実行委員の中にはいずれかの分科会に参加したい人もいたと思いますが、申し訳ない。なお、実行委員も、ちゃんと同じ参加費を払っている参加者です。実際問題として、運営の仕事のためにプログラムに参加できない人が出てくるのは仕方がないのですが。

ただし、今回の審査は非常に早く終わりました。際立った2つの発表があったからです。いずれも小学生の研究発表です。小学生とは思えないレベルの高い内容。

もう一つは聴覚障害者への天文普及活動、とりわけ天文の手話表現についての発表を選びました。知らなかったのですが、天文用語を表す手話表現はないとのこと。そこで天文の専門用語の手話表現の研究もされているとのことです。

小学生のうちの一組は、「星なかまの集い」の後に開催された第15回ジュニアセッションで発表し、会場で聴いていた高校生(彼も発表のために来場していた)が「負けた」とつぶやいたという噂が。さらにその中の一人は別の発表も持ち、こちらは「光害シンポジウム」でも発表したそうで、ちょっとこの先どこまで成長するか恐ろしい感じがします。

次回ですが、兵庫県明石市で開催するつもりです。会場選びにちょっと困りそうですが、遠方からも参加しやすい場所ではないかと思います。

*1 昔もそんなに悪かったわけではないと思いますが、特に高速からのアクセスは、道が広く走りやすくなりました。


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