編集後記


2013年03月16日(土) [長年日記]

”わが町”の天象儀

電気科学館開館75周年記念特別企画 ”わが町”の天象儀

「わが町」は織田作之助の小説で、後半に大阪市立電気科学館のプラネタリウムが登場します。ふくださんによれば「青空文庫」で読むことができます

電気科学館開館75周年を記念して、この作品を原作とする映画「わが町」(川島雄三監督)の特別上映が大阪市立科学館でありました。また、それに合わせて、同科学館で静態展示中の、電気科学館時代のカール・ツァイスⅡ型投影機が点灯されるということで、行ってきました。

参加した人の顔ぶれを見ると、かつて電気科学館に通ったと思われる年配の人が多いのですが、明らかに電気科学館を知らないはずの若い世代の人も。業界の人も幾人か。明石からは、カール・ツァイスⅡ型の点検を引き受けた長尾館長の他、井上さんや鈴木さんも来館されていました。大阪の友の会の人も大勢。

まず最初に点灯式。プラネタリウムホール入り口に展示されているカール・ツァイスⅡ型の周囲に集まります。あくまで点灯のみ、動かすことはありません。

すでに灯は入っており、部屋の照明を消すと、あたりの天井や壁に星が映し出されました。本来もっと大きなドームに映し出すもので、フォーカスもあっていませんので、星像はぼけ、ランプのフィラメントの形に映し出されています。それでも実に24年ぶりに無事灯った星。みなさん見入っていました。

その後ドームに入り、まず加藤賢一館長による講演。加藤館長は私が大阪市立科学館に出入りしていたころにお世話になりました。電気科学館がどのような時代背景のもとにオープンしたか、来館された人々、また、人々が電気科学館にかける想いなどを話されました。大阪が東京市を人口で抜いていた時があったというのを初めて知りました。

そして休憩を挟んで、映画「わが町」の上映です。映画自体は天文とは全然関係ないので念のため。いかにも浪速の下町の頑固おやじという男の一代記で、後半の途中とラストシーンに電気科学館のプラネタリウムが登場します。架空ではなく実物がそのまま映画に登場するというのに感心しました。今はそういう作り方はありなのでしょうか。


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