編集後記


2010年05月22日(土) [長年日記]

奈良へ

最近年に何度か出かけている奈良へ出かけました。

遷都1300年ということで、平城宮をメイン会場に各地でイベントをやっています。

かつて学生時代の観望地だった平城宮は、第一次大極殿をはじめいくつかの建造物が復元されているようです。前回、大極殿が建設中の時に行ったことはありますが、その後どのようになったのか確かめたいと思いました。

加えて、国立博物館で開催中の大遣唐使展と、新照明を取り入れた阿修羅像の展示を見に行くのが今回の目的です。

平城宮跡

近鉄大和西大寺駅下車。会場へは駅からシャトルバスがありますが、ちょうど出たところ。次のバスを待っても歩いても会場到着は同じぐらいの時間とのことなので歩きます。平城宮跡到着は11:00。資料館南側の佐伯門から入ります。

詳しい説明は省きますが(地図参照)、平城宮跡は、西半分が第一次大極殿と第一次朝堂院の跡地、東半分が第二次大極殿と第二次朝堂院、それに内裏の跡地、と、東西2地域に分かれます。学生時代に星を見たり遊びに行ったりしていたのは第二次の方で、当時、第一次の方はまだ発掘中で公園としては未整備でした。だからよく行っていたにもかかわらず、第一次側はほとんど知りません。

第一次大極殿

第一次朝堂院跡は草っ原ですが、基壇が復元されています。
第一次朝堂院跡 第一次朝堂院跡

ふと振り向くと、遊園地でよく見るランドトレインみたいなのが走ってきました。ハートフルトラムというもので、高齢者や足の不自由な人や小さい子供など、長距離を歩くのが難しい人限定です。

ハートフルトラム 南門広場

いやほんと、平城宮跡はただただだだっ広いので、本気で回ったら何キロも歩かなければなりません。

そして第一次大極殿へ
大極殿の前庭 大極殿

ただただだだっ広いのです。

なにやら衣装を身につけている人を何人も見かけます。スタッフとか何かのイベントの人ではありません。一般の人です。衣装は天平衣装貸出所というところで貸してもらえるのです。自分の服の上に着ているので暑いんじゃないかと思うのですが・・・

大極殿の入り口へ。行列が出来ていますが、どんどん流れていくのでそれほど待ちません。
中へ入る人の行列

中へ入ると高御座がでん、とおいてあります。
高御座 玉座

ここに國村準さんが座ってたんですね・・・・(石原さとみさんも)いやそういう問題じゃなくて。

奈良時代の高御座について詳細は不明。この高御座は大正天皇即位の際に作られたものを参考に、細部の意匠などは正倉院宝物などを参考に制作されたとのこと。

上も見なければもったいないです。天井の格子の間などにも細かく装飾が施されています。また四神十二支が描かれています。
    

大極殿を出て朱雀門方向へ。その西側にできた歴史館に、遣唐使船の復元があります。

ところが、そちらへ向かっていると「歴史館の午前の整理券配布は終了しました」とアナウンスが・・・・やむなく、外から見るだけにしました。

遣唐使船

案内によれば、遣唐使船は実は資料が殆ど残っていなくて、大きさなどはわかっていないとのこと。ここに置いている遣唐使船は形については吉備大臣入唐絵巻を参考にしたようです。全長30メートル。

ただただだだっぴろい平城宮跡。朱雀門から大極殿まで約900メートル。

朱雀門

次の目的地、国立博物館に移動しようかと迷ったのですが、結局、再び北上、東院庭園→遺構展示館→第二次大極殿→再び朱雀門、と移動しました。

途中、携帯がバッテリ切れで撮影出来ず。だいたい、デジカメがバッテリが死んで使用不能なので、撮影も携帯に頼っていると言う・・・

壬生門。朱雀門が第一次大極殿の真南にあるのに対し、第二次大極殿の真南にあるのが壬生門です。奈良時代後半には壬生門が事実上の正門として用いられたとのこと。

東院庭園

ボウリングのピンを借景にするという斬新さ(違)

(ここだけクリックすると拡大表示)

東院庭園から遺構展示館への移動の途中。発掘中の現場がありました。

遺構展示館を見学した跡、朱雀門前に戻り、シャトルバスに乗り、JR奈良駅へ。

シャトルバスは、西大寺駅、JR奈良駅、近鉄奈良駅それぞれと結んでいますが、どうもあまり本数がないようです。

国立博物館→興福寺宝物館→猿沢池

奈良駅前で遅めの昼食をとり、路線バスに乗って国立博物館到着が14:50。

最近盛んにNHKが宣伝していた大遣唐使展は6月20日までが開催されています。

たぶん今回の目玉と思われる吉備大臣入唐絵巻は割合さりげなくおいてありました。

平安時代後期、後白河法皇の周辺で作成されたと思われるもので、図録に掲載された議論の一つによれば、荒唐無稽な物語の背景には、当時(もちろん平安後期)の外交意識が強く反映されているのではないかとのこと。

最後に興福寺国宝館で新照明下の阿修羅像を拝観。千手観音と八部衆が対峙するように安置されています。八部衆の前にはガラスはなく、適度に陰影を持つように配置された証明によって、各像が幻想的に浮かび上がっています。中央に配された阿修羅像は相変わらずの大人気です。

いまさらに気がついたのですが、八部衆のうち、阿修羅以外にも五部浄、沙羯羅、乾闥婆、緊那羅は少年の顔なのでした。

猿沢池に浮かぶ竜頭船


プロフィール

星を見る、本を読む、そこらを歩いてまわる・・・→詳しく

注目リンク

バックナンバー