兵庫県は揖保川上流の引原川にあるダムです。昭和16年に着工、一時中断を経て昭和33年に完成。
子供の時はよく遊びに連れて行ってもらっていて、ダムと言えばここでした。
ダム湖は「音水湖」と呼ばれています。
下流側は下まで降りることができるようです。降りたいとは思いませんが・・・・
放流バルブ。平成8年まで使われていたもの。
ここへ来たのは何年ぶりになるか・・・そして、今日は、初めてダムの対岸へ渡りました。そこで、対岸にはダム建設当時の施設がまだ残っていることを、これまた初めて知りました。
対岸に残る遊歩道。実は、ダム建設当時、コンクリートを運搬する台車が通ったレールの跡です。途中には、鉄道のポイントのようなホームのような分岐した場所があります。
その先にはコンクリートの構造物。表面はひび割れたりしていますが、まだ頑丈そうです。これは「バッチャ―プラント」という施設でした。
この屋根の上にミキサーがあり、そこで練り混ぜられたコンクリートを、下の台車に落して積み込んだ設備です。天井には、コンクリートを落とした穴が残っています。
建築当時の写真が貼ってありました。これを見るとバッチャ―プラントの形と位置が良くわかります。
ところで、このダムもご多分にもれず、ダム湖の下に集落が沈んでいます。音水湖の水が枯れた時は、湖底に当時の集落の跡が姿を現すことがあります。
これもバッチャ―プラント跡に貼ってあった写真。
Webを探して見ると、沈んだ集落の歴史を残そうと自費出版で本を出した人、歌を作った人・・・
村が一つなくなるというのは大変に重いことです。
引原ダムは発電、工業用水、灌漑用水取得を目的とする多目的ダムです。発電も目的と言う事で、発電所はここから少し下ったところの国道沿いにあります。見た目、意外に小さな施設です。発電能力は最大5,000kwH。