編集後記


2009年05月22日(金) [長年日記]

さすが京都大学

セキュリティホールmemo(5/22)より。

京都でも、感染者発生を受けて、多くの学校が休校を決めているのですが、京大は授業を継続とのこと。

【重要】新型インフルエンザに対する本学の方針について(第4版)【5月22日更新!】

本学においては、今回の新型インフルエンザへの対応のため、感染症対策会議およびインフルエンザ対応専門家グループを設置し、医学的、生物学的見地をふまえ対応方針を決定してきたところです。
今回の、京都市内においての感染確認をふまえ、上記対策会議等で検討の結果、本学においては、現時点においては、通常どおりの授業を行うこととします。

そして、

保健管理センター:新型インフルエンザに関する緊急情報(第2報)
セキュリティホールmemoと同じところを引用:

このインフルエンザに効くワクチンは当分ありません。発症してしまった人はちょっと辛いのですが、これで免疫を獲得して今後同じタイプのインフルエンザにはかかりにくくなることが期待できますし、公衆衛生的観点からは集団免疫の成立にも貢献することになります。賢く行動してやり過ごしましょう。

さすが京大、漢だ・・・・・・

不安社会の表れ?

セキュリティホールmemo主宰者の小島先生は同ページの中で「H1N1 については『新型インフルエンザ対策』自体を止めるべき時」(5/21)と書かれていますが、実際、症状の軽さと社会の混乱ぶりのギャップが相当激しいと思います。

新型インフルエンザ対策の目的は、第一に感染爆発の発生により医療・社会機能が麻痺するリスクへの対応、第二に、時間経過とともにウイルスが悪性に変異するリスクへの対応、単純に言えばその2点だろうと思います(もちろん、その2点の目的は「命を守る」という至上目的の達成のためにあります)。

しかし、現状は、病気そのものより、物々しい対策とそれに伴う風評・感染者差別の方が、はるかに大きな被害を引き起こしているように思います。

私も正直、感染は怖いです。でも、今回のH1N1型インフルエンザは全然怖いと思わない。感染者の烙印を押されるのが怖い。そしてそれは大変にまずいことだと思う。

かえって日本社会の危機管理能力のなさを露呈した感があります。せめてマスコミはもうちょっと冷静になれよと。

そのマスコミですが、あるニュースで、コメンテータとして呼ばれた人がいいことを言いました。今の状況は不安社会の一つの表れであると。でも、不安を除こうと個々人ががんばることは、不安を取り除くことにはならない、誰か専門家が「大丈夫だ」と言わなければならない、と。もっとも、専門家が何を言っても、マスコミがぶち壊したらそれまでですが。

ちなみに、私の日常の通勤時は、みんなマスクをしているのと人が少ない(学生いないから^^)、という以外はいたってのんびりしたもの。緊迫した雰囲気は全然ありません。


プロフィール

星を見る、本を読む、そこらを歩いてまわる・・・→詳しく

注目リンク

バックナンバー