2008 TC3のこと。先日は、最終のMPECが一番信頼できるだろうとMPEC 2008-T74を紹介したんですが、衝撃の大きさはやっぱり最初のMPEC 2008-T50ですね。
Date TT R. A. (2000) Decl. Delta r Elong. Phase V 2008 10 07.07 01 07.35 +17 29.9 0.00019 1.000 167.4 12.6 12.5 2008 10 07.08 01 31.80 +19 02.5 0.00015 1.000 163.3 16.7 12.1 2008 10 07.09 02 06.87 +20 51.7 0.00010 1.000 156.2 23.8 11.6 2008 10 07.10 03 08.55 +22 53.5 0.00007 0.999 142.8 37.2 11.0 2008 10 07.11 05 36.95 +21 35.3 0.00004 0.999 109.4 70.6 10.8
地心距離0.00004天文単位は5983.92 キロメートル、地球の赤道半径より内側、つまり衝突を意味します。
末尾には、以下のような注釈があります。
The nominal orbit given above has 2008 TC3 coming to within one earth radius around Oct. 7.1. The absolute magnitude indicates that the object will not survive passage through the atmosphere.
Steve Chesley (JPL) reports that atmospheric entry will occur on 2008 Oct 07 0246 UTC over northern Sudan.
NHKスペシャル「NHKスペシャル|病の起源 第4集 読字障害 〜文字が生んだ病〜」を録画していたのを、いま見終わったところです。
知人が教えてくれた番組ですが、こういう「障害」の存在を初めて知りました。
他の能力は問題なく、言葉も聞いたり話したりには異常がないのに、文字の読み書きができないというものです。勉強していないから読めないのではなく、脳が文字を処理できないことによっておこります。発見されたのは19世紀ですが、相当数の人(欧米で10人に1人、日本で20人に1人)がその可能性があるとのこと。
ヒトの脳には文字を認識する領域がなく、もともと他の目的に使っていた領域を利用して、視覚情報として入ってきた文字を音に置き換えて言語として認識しているとのこと。言葉はヒトが種として持つ能力ですが、文字はたかだか5000年前の発明品に過ぎず、進化の過程としては、発明されてからこれまでの時間があまりに短いため、まだヒトの脳は充分に文字に適応しきれていない、ということが説明されました。
学習方法を工夫することで克服できることも紹介されていました。番組の終わりの方で、ある専門家は「障害ではない、習得の仕方が異なるのだ」と言いきっています。一方、ディスレクシアの人は空間認識能力などに優れていることが多いとも。もともと備わっていた脳の領域を文字認識のために使うようになったとすると、私たちは文字のために別の能力を引き換えにしてしまったのかもしれません。
ディスレクシアに限らず、私たちの知らない様々な事情を抱えた人がたくさん存在します。バラエティ番組などで、漢字が読み書きできない芸能人がいたからって、単純におバカ扱いしてはいけないのかもしれない(いや、わからんけど)。