今回は途中で薄雲が広がることもありましたが、全体にとてもいい天気でした。特に久しぶりに透明度とシーイングに恵まれました。
大きな収穫は自分の望遠鏡で「燃える木」(NGC2024)を確認した事です。自身2回目、もちろん現在の望遠鏡では初です。これまで、この望遠鏡で探したときは、あまり空の状態に恵まれていませんでした。
続いて、仲間の持ってきたオライオン25センチ反射で見た土星。ここまで鮮明な土星は初めてでした。土星本体の色や表面の模様もよくわかります。この条件で最接近時の火星を見たかったかも。
あとは、メシエ天体の中でまだ自力導入した事のないものを中心に見て回りました。体力が保たず4時前には撤収しましたが、もうしばらくがんばっていたらオライオンで木星を見せてもらえたのかな。またの楽しみに。
そうそう、カノープスも見て、また寿命を延ばしました。
なんでしょう、「JAXA ブラックリスト」って。。。
そうそう、忘れるところでした。現在の土星はプレセペ星団のすぐそばにいます。アストロアーツのページ。
2日目は参加者による活動観測研究の発表を予定しています。
会場はいつも花北観望会でお世話になっている花の北市民広場。JR姫路駅から播但線で2駅目になる野里駅の駅前です。
予定された発表は口頭発表13件、パネル発表6件。替え歌からプロの研究者との共同観測提案までとても多彩です。
実行委員の現地集合は8:30。宿泊組は8時15分ぐらいに出ても間に合うのでわりあいゆったりです。前日かなり遅くまで呑んでいたのに、目が覚める時間はいつもと同じ。習性とは恐ろしいものです。
ところが現地についてからがバタバタでした。会場の把握、設備担当の業者との打ち合わせ、これは会場手配を担当していた人にお任せしたのですが、本来私がやるべき仕事でしたね、すみません。
いろいろ準備を忘れているものもあって、そもそもプロジェクタと演台が遠い。急遽スライドめくり担当者を用意したり*1。
*1 「こんなの使うといいよ」と、機材のアドバイスが飛んできそうですが、ええ、そういう機材の用意を忘れていたのです。
実行委員長の挨拶をすっ飛ばして午前のセッションがはじまってしまうというハプニングはありましたが*1、とにかくスタートしました。
口頭発表は、大きく「サークル活動紹介」「観望会紹介」「天文楽発表」の3部に分けました。「天文楽発表」は観測や研究の成果発表になります。私個人としては、「天文楽発表」こそ充実して欲しいと思っています。すでに星が好きという人の集まりですから、どんなふうに天文を楽しんでいるのかが知りたいです。観測研究でなくて良くて「こんな写真撮った」とか「こんな望遠鏡作った」とか、どこそこ行ってきたとか。
今回「どこそこ行って来ました」という発表が、口頭発表とパネル発表で各一件ありました。こういうのはいいですね。
また、そういえば、写真撮っている人の参加も発表も全然ないのです・・・*2
500名収容の大きな会場でしたが、そんなに寂しい感じでもありません。
一方、こちらはポスター発表の会場。大ホールと距離が離れていたので、発表者の方には申し訳なかったです。
どんな発表があったかについては、近日中に公式サイトに予稿集を掲載しますので、そちらをご覧ください。
午後の最初のプログラムは金環日食説明会でした。今年5月21日に日本の人口のほぼ3分の2が住む地域が日食帯に入るという金環日食が起こります。この日食の概要と安全な観察方法などについて、講師を招いて開催しました。
実は私はほとんど聴いていません。正確には楽屋のスピーカーから声だけは聞いたか。この時、私は森本奨励賞の賞状の準備をしていました。
賞状は、一応、会場にPCとプリンタを持込み、決定してから印刷という段取りでした。でもそれにはあらかじめPCとプリンタをちゃんと準備しておかなければなりません。天文科学館の井上さんにプリンタを持ってきてもらい、私のPCをつなぐことにしました。プリンタドライバをメーカーのWebサイトからダウンロード。楽屋では電波が弱く、転送時間がかかりそうだったので、ダウンロード中のPCを持ったまま受付へ移動。さらにそこで、賞状用紙のメーカーのWebサイトから文面のひな形をダウンロード。それを元に文面を考案して作成。また楽屋に戻り、PCにつないでテスト印刷。もう完全に泥縄です。
結局説明会の時間をまるまる費やして賞状の準備が整いました。あとは審査の結果を待って完成させるのみです。
森本奨励賞は、「森本おじさん」こと、日本の電波天文学のパイオニアである故・森本雅樹さんの遺志を受け継ぐべく創設した賞です。「星なかまの集い」の口頭発表・パネル発表のなかから、優れた、また将来に向けて一層発展させていくことを大いに期待する活動・観測研究等を選定し奨励します。
第2回は次の3組を選定しました。まだ公式サイトにも載せていませんが、発表済なので問題ないですね。
宇野さんの発表について。病院で患者さんに星を見せたいという「願望」を持つ人は多いものだと思うのですが、そういうのとは違い、実際に医療の現場に携われている人が医療の一環としてしっかり取り入れようとされているところに以前から注目していました。同様な活動に関心を寄せる人からの質問も活発でした。
山口さんは前回のSauce on Starの活動報告に続き2年連続の受賞。都会で気軽に星を楽しめる場所としてカフェバーをオープン、その活動ぶりは、審査員の一人が言った「大阪では商人が天文学を発展させた」の現代版といっていいかもしれません。
宇野さん山口さんは午前中の発表でしたが、お昼休みの段階で、はやくも審査員全員が強く推し、ほぼ決まったような状況でした。
もう一つの加古川宇宙科学同好会。パネルでの活動紹介でした。兵庫県におけるいわゆる天文普及活動のパイオニアです。有名な「星空宅配便」は、その名前になってからでも既に20年、開催回数は2005年に500回を超え現在も精力的に展開されています。はりま宇宙講座が始まると星空案内人®資格を率先して取得され、同講座受講者の指導的存在でもあります。これまでの業績に敬意を表して、これも満場一致で。
いずれの活動に対しても、審査とか評価ではなく、敬意を表したというのが私の思いです。
一回目は、ついに実現したという満足感の方が強かったのですが、2回目となると落ち着いてきて、いろいろ反省点や課題も見えてきます。一番の反省点は、すでに書いたように、参加者同士の交流の機会があまり用意できなかったことでしょう。
交流の機会作りということでは、何かそういう企画を考える、というのがありがちですが、そうではなく、「空き時間」を充分に確保するのがいいように思っています。つまり1日目の交流会では「歓談」の時間であり、2日目については「休憩」の時間です。私自身の過去の経験でも、今回の様子を見てもそう実感しました。
極端なことを言えば、場所と時間だけで決めて参加者を募って後は何もしない、というのもありですが、何の会だかわからなくなりますね。
また今回は申し込み手続きの簡略化を狙って、氏名や連絡先は代表者だけにしました。その都合と、昨今の個人情報を巡る意識変化を気にして、名簿を作りませんでした。その結果、どういう人が参加しているのかわかりにくいといった問題もあったと思います。次回はどういう形にせよ名簿は作成した方がいいかもしれません。
次回の開催地はまだ決まっていません。たぶん候補地として名乗り出てくるところはないだろうな・・・。全国を回るというのが当初からの考えですが、あまりこだわらない方がいいかという気がだんだんしています。やや不本意ですが「関西のイベント」と認識されている人もいるようですし*1。急がず何年かかけて形を作っていく方がいいのかもしれません。
森本奨励賞にも、反省と言うより課題はあります。毎回(といってもまだ2回目ですが)原則として3組。対象分野は天文関連であれば幅広く、天文普及も含みますが、原則として、天文学研究を主たる生業としていないことという条件があります。要するにアマチュアに限るということですが、科学館職員などの場合はちょっと難しくなります。意外かもしれませんが、科学館職員は観測研究が「主たる生業」ではないのです。
厳密なことにこだわると、グループでの活動の場合、そこにプロが名を連ねている可能性だってあります*2。線引きは難しいし、そもそも線引きすることになんのメリットがあるのかという意見もあるでしょう。プロとアマの垣根が低いというのが天文分野の特徴でもあるのですから。
ただし、森本奨励賞の審査員(毎回定まっているわけではないのですが)はそういう点も含めてすべて認識を共有しており、考え方にもそれほど隔たりも揺らぎもありません。今回も特に原則論のレベルで真っ向意見が対立するという事はありませんでした。今回選んだ3組それぞれに対する評価にもズレはありませんでした。
いろいろ反省点はありますが、今回もいい会になったと思います。はじめ「自分みたいな初心者が参加していいんだろうか」と不安を言われていた人から、「楽しかった」と感想を聞いたときは、会のありようを間違ってなかったと自信を持ちました。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。次回はもっといい会にしたいと思います。
実行委員のみなさん、お疲れ様でした。「星なかまの集い」は素晴らしいスタッフが揃っています。委員長以外は。
この人も登場・・・・(^^)
★ フォーマルハウト [1月28日(土)の空は透明度が良くて、僕もNinja-400で燃える木があっさりと見えました。内部の暗黒帯(木の部分..]
★ (ふ) [馬頭星雲は見えなかったです。まださかいさんの22インチでしか見た事がないです。]