編集後記


2013年11月16日(土) [長年日記]

アイソン彗星初見

昨年から、世紀の大彗星になるのではと期待を集めていたアイソン彗星は、その後当初予想ほども光度が上がらず、多くの人をやきもきさせています。盛り返すこともなく近日点通過が迫ってきてしまいました。

数日前から何度となく夜明け前に出かけて確認をしているのですが、なかなか見ることができず。

今日の午前3時、かねて約束していた仲間と一緒に、某海岸に向かいました。総勢5名、望遠鏡2台。

満月近い月が西に残っており、透明度もやや悪い空。

まず、すでに何度も見たことのあるラブジョイ彗星から。望遠鏡でしっかりした姿を確認。

それから月が沈むまでいくつかの天体を観望。

月が沈み、スピカが昇ってきたころ、アイソン彗星に挑戦。ただ、その角、工場があって明るい。一等星スピカが肉眼でやっとという状況。肉眼ではアイソン彗星は見えず、双眼鏡でも確認できず、望遠鏡を向けてやっと見えました。ただ、見えた姿は集光もしっかりして、なんとなく尾があるようなないような。

これからアイソン彗星はさらに高度を下げ、月も近づくので、観望条件は悪くなる一方です。次のチャンスは近日点通過後の12月と考えました。うまく生き延びてくれれば、期待できるかもしれません。アイソン彗星の生還を祈って、次の観望の約束をして別れました。

星空案内in西宮ガーデンズ&コリメートアシスター実戦投入

星空案内in西宮ガーデンズは、星のソムリエ%teg;@西宮が主催する街中観望会です。兵庫県西宮市、阪急西宮北口駅近くにある大型商業施設「西宮ガーデンズ」で、春夏秋冬の年4回開催、今日で17回目となります。私は前回からお手伝いをしています。

お客さんの手持ちのデジカメ、携帯、スマホで望遠鏡を使ってコリメート法による天体撮影を体験してもらうコーナーがあり、担当を志願しました。

やってみた方はわかると思いますが、専用の器具を使わずにコリメート撮影を行うのは実はかなり困難を伴います。望遠鏡とカメラの光軸がピタリ一致しないと対象物はまともにカメラの視野に入ってくれませんし、なんとか合わせても、わずかでも動くとすぐに視野から外れてしまうため、ピントを合わせシャッターを切る間、それを手持ちで維持するのは難しいです。できるだけスムーズに撮影してもらおうと思って、コリメートアシスターを用意しました。

実はコリメート撮影用のアダプターは市販されています。いずれも撮影機材を挟んで固定し、ネジで光軸やピント位置を調整する仕組みです。これらを使うと、より扱いやすく、撮影の質も高くできそうですが、いちいち締め付けて調整してが時間がかかりそうなのと、お客さんの機材に傷をつけそうな気もしたので、採用に踏み切れませんでした。数千円しますし。

用意したのがこれ。

円盤に携帯・スマホをぴったりとあてがい、のぞき穴の位置にレンズをスライドさせると、光軸のズレなく容易に対象物を導入できます。ハートピア安八で使われているものを加古川少年自然の家で不要CDを使って手軽に作られたものがあると聞き、実物は見たことはないのですが、おおよそこんなものかと思って自作しました。

望遠鏡は借り物のマクストフカセグレン。アイピースは、それに合わせてコリメートアシスターを作っているので持ち込みました。

撮影対象は月。実際やってみると、お客さんの方は要領がわからないので、どうしてもCDにぴったり当てずに浮かせて撮ろうとされます。月は明るく、うまく導入できると最初は画面全体がまぶしく白く光ったようになります。そのまましばらく固定すると、絞りとピントが自動調整されるのですが、どうしてもさらに動かしてしまって、せっかく導入したものが外れてしまいます。

そこで、途中から、横から手を出してサポートしてあげるようにしました。これでかなりスムーズに撮影できるようになりました。

機種によっては月がはみ出します。大きくするのはカメラ側のズーム機能である程度カバーできるので、もう少し低倍率でもよかったのかも(そんなにアイピースを持ってないので難しいのですが)。月が端によってしまうことも多く、スマホ・携帯を固定したまま望遠鏡のコントローラを操作して対応。かなり器用な操作を要求されましたが何度かやると慣れてきました。

最後の一枚は、お客さんが空いた時に自分のスマホで撮った月。少々ピントが甘いのですが、まずまず写りました。

加古川少年自然の家のものは、接眼レンズをはめ込む円筒の部分に、段ボールに切れ目を入れて筒状に丸めたものを使っています。CDとの接続は接着剤で接着。段ボールは厚みがあるので、CDがぐらつくことも少ないようです。私のは段ボールに比べるとずっと薄い紙を使い、CDとの接続はテープですので、わずかにぐらついて、どうやって強度を増すかが課題なのでした。


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