編集後記


2008年01月09日(水) [長年日記]

Netscape開発終了&IEのMosaic脱却

Netscapeブラウザが開発終了(ITmedia)。2月1日でサポート終了、Firefoxへの乗り換えを促すとのこと。

私がはじめて使ったブラウザはMosaicではなくWinWEBでした。1995年のことです。当時は「Mosaic」が「World Wide Web」の代名詞、「インターネット」につなぐならUNIXワークステーションかMacという時代、私はIBM PC-DOS/V+MS-Windows 3.1にTrumpet WinsockをインストールしてBEKKOAME//INTERNETへ14.4kbpsでダイヤルアップ接続していました。

PC用にもいくつかのWebブラウザがありましたが、日本語の対応が十分でありませんでした。WinWEBは.iniファイルを編集して日本語フォントを指定すれば日本語表示可能ということで、雑誌の記事を参考にカスタマイズしました。文字コード変換の機能はないのでシフトJIS以外のWebページは表示できず*1、文字コード変換をやってくれるプロクシサーバが流行しました。こういう環境で「日本の新着情報」にアクセスしたのがWeb利用の最初でした。

やがて Netscape Navigator が登場し、使い勝手はぐんと向上しました。PC用のMosaicも試しましたがあまりきれいじゃなかった。

最初「インターネット」を軽視していたマイクロソフトも、あわてて動き出し、MS-Windows にWinsockを追加しました。そしてIE 1.0 がリリースされましたが、評判は悪く、Netscape全盛の時代は続きます。IEが質的にも人気の面でもNetscapeを抜いたのは両方のバージョンが4.xになってからだったと思います。

Internet ExplorerもMosaicをベースにして開発されたブラウザです。IE 6までは、そのことを示す「Based on NCSA Mosaic」という記述がバージョン情報のウインドウ内にあったのですが、IE 7 では消えています(via だめだめ日記(2007-12-10))。

思えば遠くへ来たものです。

*1 シフトJISだけ使えたのは、要するに8ビットの文字コードが「素通し」だから結果的に使えた、というだけのことでしょう。当時、MS-DOS/MS-Windowsは新参&少数派だったということに注意。


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