紅白歌合戦が終わる頃から、初詣に出かけるのが習慣になっています。今回の初詣は久しぶりにいい空でした。久しぶりに星見に出かけた気分。
ただの星空というのは本当に好きです。学生の頃、木星と火星が近接して互いに抜きつ抜かれつしていた様子は何ヶ月も楽しめましたし、ちょっと天体写真のまねごとなどしていた頃も、固定撮影の最中、そのままじっと空を見つめていることが多くありました。今でも、望遠鏡なぞ放ったらかしで、ただ星空を見上げているだけの事も多いのです。「わざわざ良い環境のところへ出かけているのにもったいない」と思われるかも知れませんが、ただの星空も、やはり相当に環境の良いところで見るべきです。
ただの星空はとても表情豊かです。望遠鏡や双眼鏡ではわからない肉眼星団の特集が、かなり前に雑誌であったような記憶があるのですが、どの雑誌のいつの号だったか覚えていないのが残念です。ペルセウス座α星付近などがその一つだったと思うのですが*1。
実は「私は機材を使わない、あくまで自分の目だけで空を見るのだ」という人に会ったことがあります。その人は面倒な観測機材など一切持たず、身体一つで山の上や海辺へ出かけているそうです。まだそういう境地には、私はなり切れていません。
そうそう、ある時、「ヘルクレス座はどれ?」と聞かれて教えていたら、そばで聞いていた自称「観望派」に「M13を探すならアークトゥルスからたどればいいではないか(だからヘルクレス座を探すなど無意味だ)」などと口を挟まれてあきれかえったことがあります*2。「はくちょう座」を探せない自称「撮影派」もいたっけな。フロッピーにファイルをコピーできないコンピュータ技術者のようなものか。なんか間違ってると思うのですが、人それぞれなんで別にいいんですが。
「そういうあなたには、ぜひ双眼鏡を」って言われそうですが、残念ながら、私は手持ち可能な小型双眼鏡以外は、未だに良さがわからないのです。大型の双眼鏡はどうも私には合わない機材のようです。
同じ「宇宙」でも、立場や関心のある分野によって、いわゆる「十大ニュース」なるものは大きく異なります。星が好きな人なら、一位は「火星大接近」と答える人が多いでしょう。一方、天文学的には、「WMAPミッションによって宇宙の年齢が137億歳と求められた」というのが第一位だそうです。
遅れましたが、新年明けましておめでとうございます。
年頭にあたっての所感とか抱負目標を述べるのは苦手ですが、今年も、「がんばらない、はりきらない、よくばらない」をモットーに進めていきます。
表のページに書きましたが、昨年は大変な年でした。様々な人が「コロナ」*1に言及するのを見て、温度差こそあれ、ここまで一様に人々の関心を集めた出来事があっただろうかと、皮肉な思いです。今年は安心して様々なことに取り組めればいいのですが、まだ続きそうですね。
ともあれ、今年も変わらずどうぞよろしくお願いいたします。
*1 もちろん新型コロナウイルスとその感染症COVID-19のことで、太陽コロナの事ではありません