編集後記


2008年11月20日(木) [長年日記]

1人感染で都道府県単位の学校閉鎖

新型インフルエンザ関係。でも未だに「インフルエンザごときで大げさな」と思っている人が多いかもしれない。

最初に「これはやばいんじゃないか」と思ったのは変光星のメーリングリストでこの話が流れてからでした。ぼちぼちと情報を集め、松浦さんの記事を読むなどしました。大袈裟じゃなく、はじめて自分の「死」を現実に感じて、しばらくは気持ちが重かった。

「インフルエンザ」という名前がそもそも悪いのではと私は思っています。タミフルが特効薬として知られていますが*1、H5N1型鳥インフルエンザに感染して*2、タミフルを服用しなかった人は例外なく死に至っています(via 鳥及び新型インフルエンザ海外直近情報集:左の表参照。)。タミフルを服用しても、発病から24時間以上経過したら急速に生存率が低下します。特効薬ではなく、それしかないのです*3。「そんなもん、安静にしていれば治る」などとタカをくくったら間違いなく一家全滅でしょう。こういうものが、普通のインフルエンザと同じ経路で感染するのです。

とにかく人同士が接触する機会をできるだけ減らし、感染を防ぐのがまず重要です。早期に学校を閉鎖するのは妥当な考えではないでしょうか。受験?学力?たぶんその時になったら、そんな寝とぼけたことを言う親はいないと思う。

でもここで塾が変に頑張って、閉鎖された学校の代わりに子供たちをかり集めて、そこで感染が広がって子供たちが大勢死んで・・・・という、ありそうな状況が頭に浮かびます。

新型インフルエンザのパンデミックが起こったら、星見もプラネもしばらくお休みしなければいけないでしょう。仕事は在宅でできるように今から考えておかないと。生き延びて、また星が見られるように。

感染防止にも対策はあるし、万一感染しても助かる方法はあります。われわれの危機管理能力が最大限に試されます。

*1 日本はタミフルを大量に消費している国ですが、新型インフルエンザ関連で「特効薬」として名が知られたせいだと言われています。

*2 あえて「発病したら」と書きませんでした。感染したら100%発病するとのこと。

*3 今はもう少し状況は変わっているかもしれない


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