先生になる勉強をするために研修についてきてこられている人から「毎日の内容って、事前に決めてたりするんですか」という質問。もちろんスケジュールは決まってるんだけど、そんなんじゃなく、「ここでこんな話をして、次はこんな話をして」というようなことを、あらかじめ考えてるのか、ということです。「テキストに載ってないような話もいろいろ入れてるじゃないですか」と。
「事前に”台本”を作っておいた方がいいですね」と答えたのですが、私自身はあまり考えてないと言うかテキスト通りというか。
教え方を教えるのが一番苦手です。私って教師としては優秀な方ではないし、私の授業を見てもあまり参考にはならないかも知れません。信頼して毎回任せてくださるお客様には感謝感謝なんですけどね。
授業にあたってはある人に教えられた事の幾つかを何となく実践しています。その人はその専門学校では一番優秀な先生でした。
では尊敬している人なのかというととんでもない、その逆。彼はつまり「ムネオタイプの技術オタク」でした。自分は特別な存在で誰よりも一番偉いと思いたがっていたようです。そのために周囲のあらゆる人を公然と侮辱し、ときには恫喝する。一方自分を崇拝する取り巻きを常に侍らせて悦に入る。技術教育の学校だから教員としては当然その分野の新規の技術には常に新鮮な目を向けているのだけれども、他の人が自分より先に目をつけると気にいらず、ことあるごとに妨害する。そのくせ「自分が真っ先に取り組んだ」「これがわかるのは俺だけ」と公言する。さらに、彼が得意にしている分野の知識について上層部に期待される人が他に出ると、その人が自分を追い落とそうとしていると考えて(実際、はっきりそう言い切っていた)はげしい恫喝を繰り返し、退職に追い込む。困ったことにそういったえげつない態度を正義だと思いこんでいる。よくこんな奴が先生やってると思う。というより、それで「もっとも優秀な先生」と評価されていたのが、今まで生きているうちに遭遇したもっとも不可解な現象として記憶に残っています。
彼が先生になったのは、”客”に対して偉そうに出来る数少ない職業の一つだからだろうと信じてます。もっとも彼を評価しているのは上層部と取り巻きと資格取得者の数字だけで、えこひいきが強いのと人を侮蔑した態度のために生徒の評判はとても悪い。うわさでは、彼は別の学校でも似たようなことをやって追い出されたらしい。悪いとわかってないのだな。
私はもうそこを辞めましたが、もしも自分に子供がいたら、その学校には絶対に入れないし、人に勧めることもないでしょう。