山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、2003年には超新星を4個も発見するなど、精力的に活躍中の新天体捜索者です(国立天文台・天文ニュース(441)、(500)、(587)、(625)、(635)、(673)、(678))。
その板垣さんがヘルクレス座の渦巻銀河NGC6027に超新星を発見しました。これは口径28センチメートルの反射望遠鏡とCCDによる発見です。
この発見は洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合へ報告され、2004Aという名前が付けられました。この超新星は世界を通じて今年初めての超新星の発見です。
この超新星が発見されたのは1月9.84日(世界時、以下同)で、そのときの明るさは15.7等級と報告されています。10.75日にもほぼ同じ明るさで確認されています。
板垣さんの測定による超新星の位置は、
赤経 16時 43分 10.90秒 赤緯 +36度 50分 12.5 秒 (2000年分点)
で、母銀河の中心から西に22秒角、北に17角にあたります。板垣さんが2003年12月27日に撮影された画像では、18等級より明るい天体はこの位置になく、この超新星は爆発から2週間以内であろうと考えられます。また、群馬県立ぐんま天文台の65センチメートル望遠鏡によって、1月11日にスペクトルが撮影され、タイプIIの超新星の可能性が指摘されています。
今後、分光タイプの決定や光度変化の追跡が待たれます。
2004年1月13日 国立天文台・広報普及室