【転載】国立天文台・天文ニュース(673)
山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんが、超新星を発見しました。
9月15.422日(世界時)、ベテランの超新星ハンター・板垣さんがかんむり座の楕円銀河NGC 6109に超新星を発見しました。これは口径60センチの反射望遠鏡とCCDカメラによる発見です。この発見は九州大学の山岡均(やまおかひとし)さんを通じて国際天文学連合へ報告され、2003iaという名前が付けられました。
この超新星の位置は、
赤経 16時 17分 41.17s 赤緯 +35° 00' 07.2" (2000.0)
で、母銀河(NGC 6109)の中心から東に8秒、南に8秒にあたります。この超新星は、19.18日(同)撮影のスペクトルから、極大を2週間ほど過ぎたIa型であることがわかりました。
板垣さんは今年に入ってだけでも、3月(国立天文台・天文ニュース (635))、5月(同(625))にも超新星を発見しています。
海王星に新しい衛星がひとつ発見されました。ハワイ大学のシェパードさんやジューイットさんらによって、8月29日と30日に、すばる望遠鏡で観測され、明るさ26等級の衛星だそうです。この衛星はチリのセロトロロ天文台の4メートル望遠鏡でも確認され、また過去の画像からも確認されました。直径は20〜40キロメートル程度と思われます。
これで現在太陽系ではっきり確認されている惑星の衛星の数は次のようになりました。
水星 | なし、 | 金星 | なし、 | 地球 | 1個 |
火星 | 2個、 | 木星 | 61個、 | 土星 | 31個 |
天王星 | 21個、 | 海王星 | 12個、 | 冥王星 | 1個 |
//////////////////////////////////////////////////////////////////////
訂正:「国立天文台・天文ニュース (669) ハレー彗星観測の最遠記録、塗り替えられる」で、次回のハレー彗星の回帰が2062年とありますが、これは2061年の誤りです。訂正してお詫び申し上げます。
2003年9月4日 国立天文台・広報普及室