【転載】国立天文台・天文ニュース(635)
3月23日付けの国立天文台・天文ニュース (625)で報じたばかりですが、山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんがまたまた、超新星を発見しました。
板垣さんは5月4日(日本時)未明に15.2等の超新星をりょうけん座の渦巻銀河NGC 5303A に発見しました。これは口径60センチの反射望遠鏡とCCDによる発見です。
この発見は洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合へ報告され、2003edという名前が付けられました。
板垣さんが測定した超新星の位置は、
赤経 13h 47m 45.36s 赤緯 +38゜18' 20.3" (2000.0)
で、八ヶ岳南麓天文台の串田嘉男(くしだよしお)さんの銀河の位置の測定と比較して、銀河の中心から東に3.3秒角、北に4.1秒角にあたります。
マサチューセッツ州のハーバード・スミソニアン宇宙物理学センターによるとアリゾナ州にあるホイップル天文台の1.5メートル望遠鏡での分光観測から、爆発して間もないタイプIIの超新星であることがわかりました。
板垣さんは彗星や超新星をいくつも発見しているベテランの天体捜索家で、ことしに入っても既にろくぶんぎ座の渦巻銀河NGC3169にSN2003cgを発見しています(天文ニュース(625))。他にも超新星を2つ(同(441)、(500))、新星状天体をひとつ(同(587)、また命名には至りませんでしたが彗星をひとつ発見ししています。
2003年5月6日 国立天文台・広報普及室