【転載】VSOLJニュース(115)
本年も多数の超新星が発見されてきています。9月22日現在ですでに239個の発見報告があり(うち3個は超新星でなかったのですが)、このペースで行くと昨年の332個を凌駕する可能性も高いものと思われます。このうち、最近発見された2例について紹介しましょう。
超新星2003hxは、Lick天文台の自動撮像望遠鏡KAITによって9月12日(世界時、以下同様)に14.3等で発見されたIa型超新星です。位置は、
赤経 5時46分46.97秒 赤緯 -16度47分00.6秒 (2000年分点)
で、母銀河であるうさぎ座の楕円銀河NGC 2076の中心から西に5秒、南に3秒ほどにあたります。この超新星は13.78日および15.4日に撮影されたスペクトルから、極大を過ぎたIa型超新星で、星間吸収をかなり受けているものとわかっています。今後数週間程度は小望遠鏡+CCDの良い対象となるでしょう。
いっぽう、9月15.422日には、ベテランの超新星ハンターである板垣公一さん(山形市)が超新星2003iaを発見されています。この超新星の位置は、
赤経 16時17分41.17 赤緯 +35度00分07.2秒 (2000年分点)
で、母銀河であるかんむり座の楕円銀河NGC 6109の中心から東に8秒、南に8秒にあたります。この超新星も、19.18日撮影のスペクトルから、極大を2週間ほど過ぎたIa型であることがわかっています。
続々と発見があり、超新星の世界は賑やかな状態が続いています。
2003年 9月22日
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