編集後記


2008年03月15日(土) [長年日記]

ガリレオの望遠鏡

今日は明石市立天文科学館天体観望会の日でした。

ガリレオの望遠鏡

「ガリレオの望遠鏡」は大人の科学Vol.19の付録です。発売は3月28日ですが、試作機が天文科学館に届き、観望会で見せてみるとのこと。準備のお手伝いをしている間に早速覗いてみました。

覗いてみると、視野がものすごく狭い。

そりゃそうです。この付録は、ガリレオ・ガリレイの望遠鏡を「再現」したんですよね。

ガリレオの望遠鏡は、現在の望遠鏡と比べると、視野が絶望的に狭いのです。以前、天文科学館が展示しているレプリカで星を見たことがありますが、よくこんなもので月や木星や土星を観測したものだと、そちらの方に感動した覚えがあります。付録はもう少し視野が広いようですが、やはり覗いてみると非常に狭い。

ガリレオの望遠鏡No.2

それでもどうにか月を見てみました。視野の狭さのほかは像などは意外によく、ちょうど半月で、影の部分との境付近の大きなクレーターがくっきりと見えます・・・あれ? この画、どこかで見たような?

そう、ガリレオの著作「星界の報告」に掲載された、月のスケッチによく似ているのです。これは面白い。

実は付録にはケプラー式の接眼部も用意されています。こちらに交換すると視野がぐんと広くなって覗きやすくなります。ケプラーの偉大さがわかります。

とはいえ、「ガリレオの望遠鏡」という事情を理解せず、単に格安望遠鏡という程度の認識で覗いてみた人は「使い物にならない」と一蹴しそうですね。ただ、「大人の科学」の付録としては、「ニュートンの望遠鏡に比べれば十分見る」と思います*1

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架台はカメラ三脚を使いますが、実はペットボトルの口にも取り付け可能とのこと。

*1 ニュートンの望遠鏡も、「見える」と言ってなければ、よい付録でしたが

天体観望会

さて、観望会です。何の心配もない見事な快晴、透明度も良く落ち着いた空でした。参加者60数名、テーマは「月」。

4Fの小型望遠鏡群には8センチ屈折経緯台と25センチドブソニアンが加わり、以前からの10.2cm屈折赤道儀と、修理が終わった12.8cm屈折赤道儀、それに「ガリレオの望遠鏡」と多彩になりました。

私は25センチを担当してM42を導入しました。大口径はいいですね、街の中でも。でも土星の方が人気は高かったみたいです。そうでしょうね。

その土星、今日は土星を見るのにはいい条件だったようです。まだ比較的低空にも関わらず、落ち着いた見え方でした。評判がいいので、観望会も終盤になると、全部の望遠鏡が土星に向けられてしまいました。さすがに25センチで高倍率をかけると追いかけるのが大変ですが、それだけの価値はありました。

手持ちの携帯やコンパクトデジカメで土星の写真を撮ろうとする人もちらほら。いつも見る風景ですが、今日は特に熱心に頑張られる人もおられました。望遠鏡の台数も増えたので、撮影専用に1台まわしてもいいかもしれませんね。

最後に16階で40センチ反射で月を。倍率800倍。気流が落ち着いた一瞬に細かいクレーターが見えてきて見事です。「かぐやに」乗ってるみたいな気分でした(^^)

そういえばカノープスを見るんだった、と思ったのですが、南の低空は霞がかかっていたようです。


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