三重県亀山市の中村祐二 (なかむらゆうじ) さんは、2月19日 (世界時、以下同)、135ミリメートルレンズを用いてCCDで撮影した画像上で、さそり座に新星を発見しました。この発見は九州大学の山岡均 (やまおかひとし) さんを通じて国際天文学連合に報告されました。
また、静岡県掛川市の西村栄男 (にしむらひでお) さんは、2月20日に撮影した写真上で、同天体を独立発見しました。この発見は、中野主一 (なかのしゅいち) さんを通じて国際天文学連合に報告されました。
以下は、中村さんと西村さんによって発見された、この天体の発見日時と等級です。
中村さんの発見日時: 2007年2月19日20時37分、等級: 9.3等 西村さんの発見日時: 2007年2月20日20時 5分、等級: 9.2等
新天体であることを確認した山形県の板垣公一 (いたがきこういち) さんが測定したこの天体の位置は、次のとおりです。
赤経 16時56分59.35秒 赤緯 -35度21分50.2秒 (2000年分点)
西村さんが2月15日に撮影した写真では、この位置に11等より明るい天体はありませんでした。
その後おこなわれた、西はりま天文台の内藤博之 (ないとうひろゆき) さん、鳴沢真也 (なるさわしんや) さんによるスペクトル観測の結果は、この天体が典型的な新星であることを示しています。
中村さんも西村さんも、多数の新天体を発見している、ベテランのアマチュア天文家です。
最近では、中村さんは、今月4日にさそり座に別の新星 (*1) を発見 (国立天文台 アストロ・トピックス(270)) したばかりです。また、西村さんも、2006年4月にはくちょう座に新星を発見 (国立天文台 アストロ・トピックス(201)) しています。
(*1) この新星は、今回発見された新星からわずか3度ほど離れた位置に発見され、現在も明け方の空に4等台の明るさで見えています。肉眼で見えるほど新星が明るくなるのはかなりまれなことです。
2007年2月22日 国立天文台・広報室