静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さんは、日本時間の4月3日早朝、焦点距離200ミリメートル(f/4.0)の望遠レンズで撮影した写真上で、はくちょう座に10.5等の新星らしき天体を発見しました。この発見は兵庫県の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合に報告されました。
イギリスのマイルズ(R. Miles)さんによって測定された、この天体の詳しい位置は次のとおりです。
赤経: 21時11分32.34秒 赤緯:+44度48分03.9 秒 (2000年分点)
位置は、はくちょう座の尾のあたりです。
3月28日以前に西村さん自身が撮影した写真では、この位置に12等より明るい天体はありませんでした。今後の分光観測や光度測定、精密な位置測定が待たれます。
西村さんは新天体発見のベテランで、2005年には、2月に「はくちょう座新星(V2361 Cyg = Nova Cyg 2005)」(国立天文台 アストロ・トピックス(83))、3月に「いて座新星(V5115 Sgr = Nova Sgr 2005)」(同(90))、7月には「さそり座新星(V1188 Sco = Nova Sco 2005)」(同(124))を発見するなど、これまでに、新星等の天体を5個、新彗星を1個発見しています。
2006年4月5日 国立天文台・広報室