西村栄男さん、はくちょう座に新星を発見

静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さんが、はくちょう座に新星を発見されました。

西村さんは、2月10.85日(世界時、以下同様)に撮影した写真から、9.7等級の新しい星を見つけました。この発見は、同じ静岡県の和久田俊一(わくだしゅんいち)さん、埼玉県の門田健一(かどたけんいち)さんらによって確認され、洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて、国際天文学連合へ報告され、2005年はくちょう座新星 (Nova Cyg 2005)と命名されました。12日朝(日本時)の明るさは9.0等級ほどになっています。

門田さんが測定した新星の位置は下記の通りです。

赤経: 20時09分19.09秒
赤緯:+39度48分52.2秒(2000年分点)

 発見前の画像を見ると、この位置から3秒角ほど離れたところに、18等級程度の星があります。もし、この星が増光したとすると9等級(4000倍)の、そうではなく発見前には見えなかった星の爆発であれば、さらなる増光幅になります。

11.8日には兵庫県立西はりま天文台の内藤博之(ないとうひろゆき)さんと時政典孝(ときまさのりたか)さんが、同所の60cm望遠鏡でスペクトルを撮影し、この天体が古典的な新星であることが判明しています。今後も明るくなる可能性もあり、楽しみです。

 西村さんは新天体発見のベテランで、昨年3月にもいて座に「2004年いて座新星 (V5114 Sgr = Nova Sgr 2004)」(国立天文台・天文ニュース(705))、2003年9月にはたて座に新星状天体(国立天文台・天文ニュース (668))を発見しています。また、1994年7月の中村・西村・マックホルツ彗星(C/1994 N1)の発見者でもあります。

参照

2005年2月14日 国立天文台・広報普及室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)