静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さん、茨城県水戸市の櫻井幸夫(さくらいゆきお)さんが、いて座に新星を見つけました。
西村さんは、3月28.779日(世界時、以下同様)に撮影した写真から、また櫻井さんは3月28.796日に撮影したデジタルカメラの画像から、新星を発見しました。洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて、国際天文学連合へ報告され、2005年 いて座新星 (Nova Sgr 2005)と命名されました。
櫻井さん撮影の画像から、中野さんが測定した位置は以下のとおりで、いて座の弓の中にあたります。
赤経 18時16分59.04秒 赤緯 -25度56分38.8 秒 (2000年分点)
新星は、西村さんの写真では8.7等級の明るさで、櫻井さんの画像では9.1等級の明るさで写っていました。明るさが違うのは機材の差によるもので、増光または減光しているのか判りません。櫻井さんが25日に撮影した画像では11.8等級より明るい天体はこの位置になく、またチリで南天をモニターしているASAS-3システムでは、27.464日撮影の画像にも14等級より明るい天体は写っていませんでした。この2日に、たいへん急激な増光を示したことになります。
岡山県井原市の美星天文台では、29.8日にスペクトルを撮影し、この天体が典型的な新星であることがわかりました。今後のこの新星の動向が注目されます。
西村さんは新天体発見のベテランで、今年2月に はくちょう座に「2004年 はくちょう座新星 (V2361 Cyg = Nova Cyg 2005)」(国立天文台 アストロトピックス(83))を発見したばかりです。2004年3月の「2004年いて座新星」(国立天文台 天文ニュース(705))、2003年8月に たて座に「新星状天体(同(668))」を発見しています。1994年7月の中村・西村・マックホルツ彗星(C/1994 N1)の発見者でもあります。
櫻井さんも新天体発見のベテランで、2004年11月に とも座に「2004年とも座新星 (V574 Pup = Nova Pup 2004)」を発見されたばかりで、新星類似天体を含めての発見数は、8つ目となります。
2005年3月30日 国立天文台・広報普及室
※国立天文台 4次元デジタル宇宙プロジェクト 内容:(未定) 日時:2005年4月23日(土) 16:00〜18:00 参照:http://4d2u.nao.ac.jp/4D2U/publicity14.html ・お申込みは必ず往復葉書で 「4次元デジタル宇宙プロジェクト シアタ−公開係」宛にお願いします。 申込受付期間(締切):2005年4月1日(金)〜 2005年4月11日(月)(必着) なお、4月23日には三鷹キャンパスでの親子星空学級(公開望遠鏡による天体 観望会・申し込み不要)も行われる予定です。 参照:公開望遠鏡による天体観望会 http://www.nao.ac.jp/J/PROffice/StarGazing/index.html
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