山形県山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、口径60センチメートルの反射式望遠鏡(f/5.7)にCCDを据付けて撮影したアンドロメダ座方向の銀河NGC 214の画像の中に17.8等星の超新星を発見しました。この発見は兵庫県の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告され、この超新星は「2006ep」と命名されました。
この超新星は、アメリカの超新星自動検出サーベイKAIT(Katzman Automatic Imaging Telescope)グループのジューベルト(N.Joubert)さん、リー(W.Li)さんたちもほぼ同時に発見しています。
超新星の発見日時と位置は、
発見日:2006年8月30.35日=8月30日8時24分(世界時) 赤 経: 00時41分24.88秒 赤 緯:+25度29分46.7 秒 (2000年分点)
です。
この天体はNGC 214の中心核位置から、西に約43秒角、南に約11.3秒角ほど離れたところにあります。この超新星の発見前後の明るさは、8月21.6日(世界時、以下同様)19等以下(板垣)、8月25.37日19.2等以下(KAIT)、8月26.64日19等以下(板垣)、8月30.35日17.8等(KAIT)、8月30.637日18.1等(板垣)、8月31.60日17.8等(板垣)でした。9月2日には外国の天文台で、この星の分光観測が行われ、極大光度付近の明るさにある超新星と分かりました。
板垣さんは今年7月にはうしかい座に (国立天文台 アストロ・トピックス(226))、5月にはペガスス座に (同 (212))、4月にはおおぐま座に (同 (202))それぞれ超新星を発見しており、今回はそれに続く快挙です。これでご自身の発見数(独立発見を含む)は通算20個となり、日本人アマチュア天文家による超新星発見個数の最多記録をさらに伸ばしました。
2006年9月4日 国立天文台・広報室