山形県山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、口径60センチメートルの反射式望遠鏡にCCDを使って撮った、おおぐま座の銀河、NGC 3953の画像の中に 16.7等級の超新星を発見しました。この発見は兵庫県の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告され、この超新星は2006bpと命名されました。
超新星の発見時刻は4月9.60日(世界時、以下同様)、明るさは16.7等ほどでしたが、その後の観測では15.8等まで急激に増光中です。新星や超新星が増光中に発見されることは少なく、物理的に大きな知見が得られることから分光観測が大いに期待されます。
超新星の位置は、
赤経: 11時53分55.74秒 赤緯:+52度21分09.4 秒 (2000年分点)
です。
この天体は NGC 3953 の中心位置から、東に約1分角、北に約1.5分角のところにあります。また、板垣さん自身が観測した3月19日、23日には、この位置には星像は写っていませんでした。
板垣さんは昨年8月、うしかい座に超新星を発見していますが(国立天文台アストロ・トピックス (135))、今回はそれに続く快挙です。これでご自身の発見(独立発見を含む)は通算17個目となります。因みに超新星の発見は、2月にかみのけ座に超新星を発見した鈴木章司(すずきしょうじ)さんに続き、板垣さんは日本人としては今年二番目となります。
2006年4月10日 国立天文台・広報室