山形県山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんは、口径60センチメートルの反射式望遠鏡にCCDを据つけて撮った、ペガスス座の銀河、NGC 7753の画像の中に 16.5等星の超新星を発見しました。この発見は兵庫県の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告され、この超新星は「2006ch」と命名されました。
超新星の発見時刻は5月9.765日(世界時、以下同様)、明るさは16.5等でした。また、板垣さんご自身が、この銀河を昨年8月30日と11月10日に観測していましたが、そのときにはこの位置にはなにも星が見えていませんでした。さらに超新星発見後の観測では、徐々に減光(5月11.764日、16.6等、5月14.752日、16.8等)しています。
超新星の位置は、
赤経: 23時47分06.12秒 赤緯:+29度28分50.6 秒 (2000年分点)
です。
この天体は NGC 7753 の中心位置から、東に約17秒角、南に約10秒角ほど離れたところにあります。また、今回板垣さんが発見した超新星は、今年最初に発見された超新星、「2006A」の位置と非常に近いところで出現しました。(IAUC 8656)
板垣さんは昨年8月、うしかい座に(国立天文台アストロ・トピックス(135))、今年の4月にはおおぐ座に超新星を発見(同(202))しており、今回はそれに続く快挙です。これでご自身の発見(独立発見を含む)は通算18個目となります。
因みに日本人による今年に入ってからの超新星の発見数は、2月にかみのけ座に超新星の発見した鈴木章司(すずきしょうじ)さんに続き、板垣さんの4月の発見と合せて計3個目となります。
2006年5月16日 国立天文台・広報室