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2023年09月06日(水) [過去の同じ日]

「木星の閃光、30~40mの小天体が衝突か これまでで最も強い光 京大・有松特定助教が分析」(河北新報)

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が超新星1987Aの残骸を撮影

シミュレーションで太陽系外縁部に未発見の惑星がある可能性を示唆 世界初、海王星以遠の天体の特性を再現することに成功(近畿大学)

【画像】西村彗星 C/2023 P1 (Nishimura)

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「スーパームーン」と「ブルームーン」

今年8月31日の満月は、地球との距離が今年の中で最も短い、またその月の2度目の満月、ということで「スーパーブルームーン」として話題になりましたが、この機に両者の定義について。なお、「スーパームーン」や「ブルームーン」を肯定するか否定するかの議論には踏み込みません*1

まず「スーパームーン」、天文用語でないというのはよく言われますが、定義があいまいというのはちょっと言い過ぎで、ちゃんと定義はあります。

「スーパームーン」は1979年に占星術師のリチャード・ノルが定義しました。その定義は、

(1) 月の遠地点距離と近地点距離の差を求める。(2) (1)で求めた距離の90%の距離を求める。(3) (2) で求めた距離を遠地点距離から引く。(4) 月と地球の距離が(3)よりも短い満月または新月が「スーパームーン」

でした。新月もあるのです。*2

ただ、Xのフォロワーの占星術師さんによれば、「スーパームーン」にオフィシャルっぽい占星術的解釈はない、ということで、占星術でも一般的ではないようです。

一方「ブルームーン」。現在広まっている定義はS&T誌が1946年に間違った記事を掲載し、間違いであるにもかかわらず、そのまま広まってしまったものです。本来の定義では、8月31日の満月はブルームーンではなかった

本来の定義(春夏秋冬の3か月区切りの季節区分の中に、普段は満月が3回あるところ4回あることがあり、その3番目の月を「ブルームーン」と呼んだ)もあまり古いものではないらしい。

「ブルームーン」という言葉自体は400年以上前からあり、ただ「馬鹿げている」というような意味で、暦上の意味(その中でも特にS&T誌の誤った記事による意味)が本当に広まったのは、ここ30年ほどのこと。

でもまあ、そういう難しい話を怖い顔をして論じあうのは殺伐としていけません。古来より月を愛してきた民族の一人として、素直に美しい月を愛でたいものです。次の満月は「中秋の名月」ですしね。

*1 もっとも、筆者あまり肯定的じゃない、ということは、読んでいただくと感じてもらえると思います。

*2 「いや確かにそういう定義はあるけど、それが妥当かどうか…」「あなた、『スーパームーン』を天文用語として確立したいの?」

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『渡月橋 ~君 想ふ~』 (倉木麻衣)

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