岡山県津山市にお住いの多胡昭彦(たごあきひこ)さんと、茨城県水戸市にお住まいの桜井幸夫(さくらいゆきお)さんが、とも座に新星を発見し、とも座新星2004(Nova Puppis 2004)と命名されました。
多胡さんは、11月20.672日(世界時、以下同様)に撮影した写真から、また桜井さんは11月20.812日に撮影したデジタル写真画像上から、それぞれ独立に発見したものです。
どちらも新星発見のベテランで、多胡さんは2001年8月にはくちょう座に新星(はくちょう座新星2001(Nova Cygni 2001 No.2)を発見(国立天文台・天文ニュース (467))、また、桜井さんは、2000年2月にいて座に新星(いて座新星2000)を発見しています(同 (326))。それぞれ、新星類似天体を含めての発見数は、多胡さんが4つ目、桜井さんが7つ目になります。
両者の発見は、兵庫県洲本市の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて、国際天文学連合へ報告されました。新星の位置は、山梨県八ヶ岳南麓天文台の串田麗樹(くしだれいき)さんの測定によると、
赤経 7時41分53.56秒 赤緯 -27度06分38.3 秒 (2000年分点)
で、さらに埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さんらの観測では、この新星の明るさは7等級ということです。
岡山県美星町にある美星天文台の口径101センチメートル望遠鏡では、11月21.75日にさっそく分光観測が行われ、新星爆発特有の観測結果が得られています。これも発見直後の迅速な観測データであり、貴重なものといえるでしょう。
2004年11月22日 国立天文台・広報普及室