相次ぐ日本人による新星の発見

 この4月、いて座とさそり座に相次いで新星が発見されました。いて座の新星は、福岡県久留米市の西山浩一 (にしやまこういち) さんと、佐賀県みやき町の椛島冨士夫 (かばしまふじお) さんが発見しました。一方、さそり座の新星は、西山さんと椛島さんのグループが発見した他、群馬県嬬恋村の小嶋正 (こじまただし) さんと静岡県掛川市の西村栄男 (にしむらひでお) さんも独立発見しています。

 いて座の新星は、西山さんと椛島さんによって4月23.782日 (世界時、以下同じ) に発見されました。この日お二人は、焦点距離105ミリメートルのカメラレンズ (f/4) を使用した冷却CCDカメラによる観測を行い、得られた2枚の画像 (限界等級13.2等) からこの天体を発見しています。

 この天体の天体名、発見日時、位置、発見等級は次のとおりです。位置は、発見当夜の23.791日に、お二人が40センチメートル (f/9.8) の反射望遠鏡を使用して行った確認観測の値です。


○いて座新星2010 No.2
天体名 「いて座V5586」
発見日時 2010年4月23.782日 = 4月23日18時46分 (世界時)
赤経 17時 53分 02.99秒
赤緯 -28度 12分 19.4秒 (2000年分点)
発見等級 11.2等

 一方、西山さんと椛島さんはさそり座の新星も発見しています。お二人は、4月25.788日に行った焦点距離105ミリメートルのカメラレンズ (f/4) を使用した冷却CCDカメラによる観測で得られた2枚の画像 (限界等級13.1等) から8.6等のこの天体を発見し、国際天文学連合電報中央局に報告しました。

 また小嶋さんは、4月25.738日に焦点距離50ミリメートルのカメラレンズ (f/2.8) を用いたデジタルカメラによる観測で得られた2枚の画像 (限界等級11.2等) から、この天体を発見しました。さらに西村さんも、4月25.763日に焦点距離120ミリメートルのカメラレンズ (f/3.5) を用いたデジタルカメラによる観測で得られた2枚の画像 (限界等級10.5等) から、この天体を発見しました。小嶋さんと西村さんの発見は、中野主一 (なかのしゅいち) さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告されました。

 この天体の発見日時と発見等級、位置は次のとおりです。小嶋さんの発見等級は、中野さんが測定したものです。また位置は、発見当夜の25.796日に西山さんと椛島さんが40センチメートル (f/9.8) の反射望遠鏡を使用して行った確認観測の値です。

○さそり座の新星 (注)
発見日時 (世界時) と発見等級:
2010年4月25.738日 = 4月25日17時43分 8.8等 (小嶋さん)
2010年4月25.763日 = 4月25日18時19分 8.3等 (西村さん)
2010年4月25.788日 = 4月25日18時55分 8.6等 (西山さん、椛島さん)
赤経 16時 55分 13.16秒
赤緯 -38度 03分 46.9秒 (2000年分点)

 西山さんと椛島さんは、これまでも多くの新星を発見しており、2月20日にもさそり座に新星を発見したばかりです。また西村さんも多くの新星を発見しており、今年は1月15日と2月18日にへびつかい座の新星を発見したばかりです。一方、小嶋さんは初めての新星発見となりました。

 このような日本のアマチュア観測者による相次ぐ新星の発見は、称賛に値します。今後の活躍に期待いたします。

注:現時点では、まだ命名されていない。

参照:

2010年4月28日            国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)