世界天文年2009、開幕へ向けて

 2009年は、ガリレオ・ガリレイがはじめて望遠鏡を夜空に向け宇宙への探求の扉を開いた1609年から400年にあたります。国際連合、ユネスコ (国連教育科学文化機関)、国際天文学連合 (IAU) は、この記念すべき2009年を「世界天文年」と定めました。

 現在、135の国と地域が世界天文年への参加を表明し、世界中でこの国際年へ向けた企画が進められています。

 日本では、昨年から世界天文年2009日本委員会 (以下、日本委員会) が組織され、海部宣男 (かいふのりお) 委員長の下、多くの人々が星空に親しみ、尽きない宇宙の魅力に触れられるよう、様々な企画を計画してきました。

 すでに、日本委員会主催のシンポジウム (国立天文台 アストロ・トピックス(418)(424) 参照) が開催されたほか、この12月6日より、書店に天文書のコーナーを設ける「世界天文年2009 星空ブックプレフェア」が全国78店舗で開催されています。また、全国のプラネタリウムや公開天文台、天文愛好家などの協力により、およそ160件の世界天文年プレイベントが開催されており、2009年の世界天文年へ向けた気運が高まっています。

 そして、いよいよ間近に迫った世界天文年の開幕を迎えるにあたり、日本委員会では「世界天文年2009 全国一斉オープニングイベント」を企画しました。これは、来る1月4日に、イベントのメイン会場となる県立ぐんま天文台 (群馬県吾妻郡高山村) をはじめ、呼びかけに応じた全国の天文関連施設や団体・個人で、世界天文年の開幕宣言を行い、年始めに観望会や展示会などのイベントを開催するものです。

 また、メイン会場では、同日18時よりオープニングセレモニーが執り行われ、古在由秀 (こざいよしひで) 県立ぐんま天文台長による講演や、海部宣男日本委員会委員長による開幕宣言が行われます。また、「ガリレイの偉業と天文教育・普及の現状」と題した座談会も開催されます。

 世界天文年まであと3週間あまりです。ガリレオの偉業から400年。現在もなお続く、驚きと発見に満ちた宇宙の魅力を世界中の人々と共有する、記念すべき年になることを期待します。

参照:

2008年12月9日           国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)