山形県山形市のアマチュア天文家・板垣公一 (いたがきこういち) さんに対し、8月30日、山形大学名誉博士の称号が授与されました。同大学の名誉博士号を受けるのは板垣さんが初めてです。
板垣さんは、これまでに多くの超新星をはじめ、新星、彗星といった天体を次々と発見してこられました。特に超新星の発見数については国内最多記録の保持者で、現在もその記録を更新中です。先月8月24日にも、NGC 4161 銀河に通算33個目となる超新星 2007gw を発見したばかりです (国立天文台 アストロ・トピックス (328) )。
また、板垣さんが2006年10月に発見した超新星 2006jc に関する研究成果が、九州大学の山岡均 (やまおかひとし) さんらとの共著論文として、今年6月14日発行の英国の科学論文誌 Nature に発表されました (国立天文台 アストロ・トピックス (303) )。
こういった板垣さんの観測への熱意と研究業績が、山形大学からの名誉博士号授与に結びついたと言えます。
天文学の分野では、超新星、新星、彗星、小惑星等の発見や、太陽黒点、変光星、掩蔽等の観測がアマチュア天文家の協力の下で行われ、多くの成果を挙げています。板垣さんが名誉博士号を受けた朗報は、日本のアマチュア天文家全体の喜びであると同時に、多くのアマチュア天文家を勇気付けることになるでしょう。今後の板垣さんの更なる発展を期待します。
2007年9月4日 国立天文台・広報室