板垣さん、やまねこ座の銀河に超新星らしき天体を発見

 山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんが、10月9日(世界時)の観測から、13.8等の超新星らしき天体を発見しました。

 この天体は、やまねこ座の銀河UGC 4904の中にあり、口径60センチメートルの反射式望遠鏡(f/5.7)を使ってCCDで撮影された多くの画像の中から発見されました。

 この発見は、兵庫県の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告されました。その後、T.パケット(T.Puckett)さんとR.ゴレリ(R.Gorelli)さんも、板垣さんの発見とは独立して、10月10日に撮影した画像からこの天体を発見しました。

 以下は、板垣さんによって発見された天体の観測値です。

天体が発見された日時・等級・位置
発見日:2006年10月9.752日=10月9日18時03分 (世界時)前後 13.8等
赤 経:9時17分20.78秒
赤 緯:+41度54分32.7秒 (2000年分点)

 天体は、UGC 4904銀河の中心から、西に11秒角、南に7秒角離れた位置にあります。

 板垣さんは、2004年にも、今回発見した天体にきわめて近い位置に、超新星らしき19.0等の天体を捉えたことがあります。当時、DSS(Digitized Sky Survey)が青色で撮影した画像を調べたところ、1953年、1990年、1995年に撮影された画像にも、その天体に近い位置に恒星状の天体が写っていることがわかりました。このため、同じ天体が変光している可能性も考えられましたが、追加観測の報告がないまま、天体は暗くなってしまいました。

 今回の天体が2004年の天体と同じものなのかどうか、また、超新星なのかどうかは、今のところはっきりわかっていません。今後の詳しい観測が待たれます。

 この天体が超新星だとすれば、板垣さんご自身による超新星の発見は今年だけですでに8個目(独立発見を含む)となり、通算での超新星発見数は合計24個となります。日本人アマチュア天文家による超新星発見個数の最多記録をさらに更新中です。

参照

2006年10月11日           国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)