いて座に新たな新星が出現

著者:前原裕之(国立天文台)

私達の銀河系の中心方向に見えるいて座の中にはこれまでにも多数の新星が発見されています。10月20日にいて座の中に新星が発見されたばかり(VSOLJニュース329)ですが、別な新星がいて座の中に発見されました。新星を最初に発見したのはハワイとチリでそれぞれ4台の口径14cmの望遠鏡とCCDカメラを使って超新星のサーベイを行なっているAll-Sky Automated Survey for Supernovae (ASAS-SN, "Assassin")のグループで、10月25.02日(世界時、以下同様)に撮影した画像から13.7等の新天体を発見しました。ASAS-SNの観測によるとこの天体は翌26日には11.6等に増光しました。また、26.380日には茨城県水戸市の櫻井幸夫(さくらいゆきお)さんも10.4等に明るくなったこの天体を発見しました。重力マイクロレンズ現象の探索を行なっているOGLE-IVの観測によると、この天体の位置は

赤経:18時20分52.25秒
赤緯:-28度22分12.1秒            (2000.0年分点)

で、発見前の画像にはこの天体の位置に22等よりも明るい天体は見られないことから、この天体は12等以上明るくなったと考えられます。

 この天体の分光観測は西オーストラリア大学のPaul Luckasさんによって27.5日に行なわれ、この天体のスペクトルには水素のバルマー系列および1階電離した鉄などの輝線が見られることから、この天体が古典新星であると分かりました。

参考文献

2016年10月29日

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