8月24日、おおぐま座の渦巻銀河M101に爆発直後の超新星が発見されたことは、VSOLJニュース(277)でお伝えしました。この超新星は、期待通りIa型超新星と判明し、超新星2011feという符号が与えられました。
その後、超新星2011feは順調に明るくなり、9月10日過ぎには10等級をわずかに上回る9.9等ほどで極大を迎えました。これは、M81に出現した超新星1993Jの極大時10.5等を上回ります。これほど明るい超新星は、この100年で見ても、大マゼラン銀河の超新星1987A(極大3.0等)、ケンタウルス座の銀河NGC5253に出現した超新星1972E(極大8.5等)、りょうけん座の銀河NGC 4214に現れた超新星1954A(極大9.5等)、やはりりょうけん座の銀河IC 4182に出現した超新星1937C(極大8.7等)しかありません。何十年に一度という現象です。
極大を過ぎた超新星2011feは、徐々に暗くなりつつあります。しかし、減光はそんなに速くなく、9月20日でもまだ10等台前半の明るさです。M101は北斗七星の近くにあり、夕方の北西空の低いところになりますが、ここしばらくは月の影響もありません。太陽に近づいて観測困難になる前に、一目見ておいてはいかがでしょうか。
2011年9月22日
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