子持ち銀河M51に超新星が出現

著者 :山岡均(九大理)

Subject: vsolj-news 272: SN in M51

子持ち銀河の名で知られるりょうけん座のM51は、渦巻銀河と小型の銀河が衝突しているの姿です。星生成が活発なため大質量星の爆発も多く、近年では超新星1994I(Ic型)、超新星2005cs(II型、VSOLJニュース(140))が発見されています。

そのM51に、明るい超新星が出現しました。5月30.90日(世界時、以下同様)には19.5等級より明るい天体は存在しなかったところに、5月31日(時刻不詳)に14等ほどの新天体が現れたのです。ATEL 3398によると位置は、

赤経 13時30分05.08秒
赤緯 +47度10分11.2秒 (2000年分点)

と測定されています。銀河の中心から東に138秒角、北に92秒角のところに当たります。分光観測により、大質量星の爆発と目されるごく初期のII型と判明しています(ATEL 3398)。さらに、爆発前に撮影されたハッブル宇宙望遠鏡による画像では、同じ場所に単独星らしい姿が見えています(ATEL 3399)。この星が爆発した可能性が高いと思われます。

 M51は8Mpc(2600万光年)ほどの距離にある近い銀河で、今後しばらくはこの超新星は観察・撮影可能なものと思われます。この超新星をくわしく調べることで、超新星に関する研究が大きく進歩すると期待され、眼が離せません。

参考文献

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