超新星を捜索する人は、多数の銀河をひとつずつ撮影し、過去の画像と比較するという作業を行なっています。ところで、目標としている銀河の近くに、別の銀河が写っている場合があり、そこでの超新星も見逃さないようにしたいところです。今回発見された超新星2010kpは、そうやって発見されました。発見したのは、山形県山形市の板垣公一(いたがき こういち)さん、先週も超新星2010kiを発見された(VSOLJニュース256)、大活躍中の天体捜索者です。
板垣さんは、12月8.505日(世界時、以下同様)に60cm反射望遠鏡でNGC 1485銀河を撮影した画像上で、南の視野ぎりぎりに写っている暗い銀河2MASXJ04034059+7045116に、17.9等の新しい光点を見つけました。光点の位置は、
赤経 4時03分38.85秒 赤緯 +70度45分15.7秒
で、母銀河の中心から西に8秒角、北に4秒角にあたります。この位置はきりん座にあたり、一晩じゅう地平線上にありますが、NGC 1485を狙った画像では視野の端に近く、最近撮影した画像では視野の外だったとのことで、いつ頃増光したのかはよくわかりません。天体は、板垣さん本人が9.373日に、また宮城県大崎市の遊佐徹(ゆさ とおる)さんが9.353日に確認しています。
超新星2010kiは、極大を過ぎたばかりのIa型超新星であると判明しています。今回の超新星2010kpがどのような超新星であるか、今後のフォローアップ観測が待たれます。
板垣さんの発見画像 http://www.k-itagaki.jp/images/Anon-1208.jpg
〃 確認画像 http://www.k-itagaki.jp/images/Anon-1209.jpg
参考文献
- CBET 2577 (2010 Dec. 10)
2010年12月10日