著者 :山岡均(九大理)

アンドロメダ座大銀河M31は毎年数十個の新星が発見されます(VSOLJニュース222など)が、私たちの銀河系では、銀河円盤にある星間物質によって光が吸収されて見通しがきかないため、新星も私たちの近くに出現する年間数個程度しか見つかりません。とは言え、天の川に沿った方向では星の数も多く、なかでも銀河系中心方向であるいて座などでは、毎年のように新星が出現し、1年に複数の新星が見つかることもあります。

秋も深まって太陽が近づいてきたため観測は困難ですが、いて座に新星が出現しました。いて座の新星は今年4個目です。新星を発見したのは、福岡県久留米市の西山浩一(にしやまこういち)さんと佐賀県みやき町の椛島冨士男(かばしまふじお)さんのチームです。新星の位置は、

赤経: 18時31分32.79秒
赤経:-16度19分07.5秒 (2000年分点)

で、10月26.439日(世界時、以下同様)での明るさは9.3等でした。26日のうちに、イタリアで確認され、またチリに置かれた自動望遠鏡ASAS-3でも検出されています。21日には13.4等より明るい天体はなく、また過去の画像では21等より明るい星はなかったとのことなので、爆発後まもない新星だと思われます。今後の光度変化やスペクトル確認が楽しみです。

参考文献:

2009年10月27日

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