へびつかい座にもうひとつ新星らしき天体が出現

著者 :山岡均(九大理)

5月27日付けのVSOLJニュース(196)で、へびつかい座での新星出現をお知らせしましたが、それに引き続いてふたたびへびつかい座で、新星らしき天体が発見されました。発見したのはまたもや福岡県久留米市の西山浩一(にしやまこういち)さんと佐賀県みやき町の椛島冨士夫(かばしまふじお)さんのおふたりのグループで、たてつづけの発見になります。

新天体は、5月31.608日(世界時、以下同様)に撮影された画像で発見されました。その位置は、

赤経:  17時33分29.61秒
赤緯: -27度01分14.5秒 (2000年分点)

です。天体の明るさは、フィルターなしのCCDやRバンドでの画像では11.5等ほど(発見後3日間はあまり変化なし)ですが、6月2.23日に観測された、より波長の短いVバンドでは12.8等、Bバンドでは13.9等と、かなり赤く見える天体です。過去の全天画像ではここには20等より明るい天体はありませんでしたので、8等以上明るくなったという振幅の大きさから、新星である可能性は高いと思われ、その色からかなりの星間吸収を受けているものと推定されます。今後のスペクトル観測、明るさの変化が楽しみです。

参考文献:

2008年6月3日

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