春まだ浅いこの季節ですが、明け方の空には夏の大三角も見え、天の川に多く出現する新星が発見される頃となってきました。その先駆けとなる、今年初の銀河系内の新星を、札幌市の金田宏(かねだひろし)さんが発見されました。金田さんは、昨年末に新星こぎつね座V459を発見されました(VSOLJニュース(186))が、それに引き続いての2個目の発見となります。
金田さんは、3月7.801日(世界時、以下同じ)に撮影したCCD画像から、8.2等級の新天体を発見しました。埼玉県上尾市の門田健一(かどたけんいち)さんによって測定された新星の位置は、
赤経 19時58分33.39秒 赤緯 +29度52分06.5秒 (2000年分点)
です。国内外で、この新星を独立に発見したという報告が多数あり、国内からでは、愛知県岡崎市の山本稔(やまもとみのる)さん、熊本県合志市の工藤哲生(くどうてつお)さん、愛知県豊橋市の長谷田勝美(はせだかつみ)さん、三重県亀山市の中村祐二(なかむらゆうじ)さんが報告されています(報告時刻順)。
国立天文台の岡山天体物理観測所188cm望遠鏡を使って、突発天体を専門とする京都大学の野上大作(のがみだいさく)さんたちが天体のスペクトルを取得し(3月8.794日)、この天体が極大期の新星であることがわかりました。今後の光度変化などが楽しみです。
参考文献:
- CBET 1291 (2008 Mar. 8)
- IAUC 8927 (2008 Mar. 8)
2008年3月11日
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