歳の瀬も押し詰まってきましたが、注目の新天体の発見ラッシュが続いています。札幌市にお住いの金田宏(かねだひろし)さんは、現在夕方の西空低く見えているこぎつね座の一角に、新星を発見されました。金田さんは、小惑星を多数発見・観測されているベテランの天体観測家ですが、新星を発見するのは初めてです。
金田さんは、12月25.354日(世界時、以下同様)に撮影したデジカメ画像から、8等級台の新天体を発見しました。薄雲を通しての観測だったので、明るさは不確実だそうです。天体の位置は、天体を確認した板垣公一(いたがきこういち)さん(山形市)の測定では、
赤経: 19時48分08.84秒 赤緯:+21度15分27.6秒 (2000年分点)
です。こぎつね座は、はくちょう座の南にあり、夏の天の川の中になります。こぎつね座には今年8月にも、新星が発見されています(VSOLJニュース178)。
なお、岡山県津山市の多胡明彦(たごあきひこ)さんも、この天体を26.38日撮影のデジカメ画像で独立に発見されています。26日には、天体の明るさは7等級台で報告されています。
天体のスペクトル観測が26日、美星天文台、ぐんま天文台、岡山県井原市の藤井貢(ふじいみつぐ)さん、西はりま天文台の各所でそれぞれ行なわれ、この天体は、爆発後すぐの、おそらく最も明るい時期(極大)に至る前の新星であると判明しています。こぎつね座の今年2個目の新星ということで、「2007年こぎつね座第2新星」とも呼ばれますが、すでに正式な変光星名「こぎつね座V459」が付与されています。
今後の光度変化やスペクトル変化の追跡が望まれます。
参考文献:
- CBET 1181 (2007 Dec. 26)
2007年12月27日
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