アンドロメダ座大銀河M31に明るい新星が出現

著者 :山岡均(九大理)
連絡先:yamaoka@rc.kyushu-u.ac.jp

アンドロメダ座大銀河は、私たちの銀河系よりもやや規模が大きい恒星集団です。星の数も多く、また星間吸収によって暗くなる割合が低いため、新星は年間数十個出現・発見されています。発見される新星の多くは17等級ほど(絶対等級でマイナス7等ほど)の明るさですが、たまに、もっと明るいものが出現します。今回発見された新星は、15.0等級前後にまで明るくなっており、アンドロメダ座大銀河の距離では最大級に明るいものです。

今回の新星を発見したのは、福岡県久留米市の西山浩一(にしやまこういち)さんと、佐賀県みやき町の椛島冨士夫(かばしまふじお)さんです。このおふたりは9月に、アンドロメダ座大銀河とほぼ等距離にある、さんかく座のM33銀河で新星を発見され(VSOLJ news 181)、また10月にはアンドロメダ座大銀河で別の 新星を発見されています。今回の新星の位置は、

赤経:  0時44分54.60秒
赤緯:+41度37分40.0秒   (2000年分点)

です。10"ほどのところに13等級の星があり、明るさの測定には注意が必要です。発見以来の明るさの変化(いずれもフィルターなしのCCD画像での測定)は、

11月16.51日   17.7等
    17.59日   16.9等
    19.51日   15.1等
    20.385日  14.9等
    20.507日  15.3等

と報告されています。明るい新星は光度変化が速いため、今後の動向が注目されます。

参考文献:

2007年11月21日

※ この「VSOLJニュース」の再転載は自由です。一般掲示、WWWでの公開等にも自由にお使いください。資料として出版物等に引用される場合には出典を明示していただけますと幸いです。継続的・迅速な購読をご希望の方は、VSOLJニュースのメーリングリスト vsolj-news にご加入いただくと便利です。購読・参加お申し込みは ml-command@cetus-net.org に、本文が subscribe vsolj-news と書かれたメールを送信し、返送される指示に従ってください。なお、本文内容に対するお問い合わせは、著者の連絡先までお願い致します。