超新星が星全体の爆発であるのに対して、古典新星は、白色矮星の表面で起きる小規模な爆発です。明るさも、超新星と新星とでは10000倍(10等級)ほど違います。それでも隣の銀河であるアンドロメダ座大銀河で新星が出現すると、最も明るいものでは15-16等級ほどになり、CCDカメラを使うと30cmクラスの望遠鏡でもとらえられるほどになります。
佐賀県みやき町の椛島冨士夫(かばしまふじお)さんと、福岡県久留米市の西山浩一(にしやまこういち)さんは、よその銀河に超新星を探している新天体ハンターです。9月18.63日(世界時)付近に、アンドロメダ座大銀河とほぼ同じ距離にある、さんかく座の渦巻銀河M33を撮影した画像から、17.1等の新天体を見つけました。見つけてから5時間ほどの間に、0.6等級ほど明るくなり、明るい急速新星で期待される明るさとなりました。翌夜には他の観測者によって天体の存在が確認され、広報されました。
明るい新星は、その明るさの変化が早いものです。今後、この天体がどのような挙動を示すか、1週間程度は注目したいところです。
参考文献:
- CBET 1074 (2007 Sep 19)
2007年9月21日
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