【転載】VSOLJニュース(102)
IAUC No. 8123 によれば、オーストラリアの Nicolas J. Brown と、愛知県の山本稔さんによって、いて座に新星が発見されました。この天体は2003年最初に発見された銀河系内の新星です。Brown は 4月 25.73日(UT)に写真等級 8.9 等、山本さんは26.735日(UT)に写真等級 9.6 等で発見しました。Brown は V838 Mon= いっかくじゅう座の特異な爆発型変光星か特異新星として知られる有名な天体(VSOLJ ニュース 77,84)を発見しています。また山本さんは1999年のいて座新星(V4444 Sgr, VSOLJ ニュース 14)や、反復新星 CI Aql の2000年再爆発(VSOLJ ニュース 40)の独立発見など、数々の発見を行われている方々です。
今回のいて座の天体は、Skuljan (カンタベリー大学) によってスペクトルが撮られ、新星であることが確実になっています。
新星の位置は以下のように報告されています。明け方のやや低い空ですが、小型望遠鏡で観測可能と思われます。
18h 40m 02s.54 02s.57 -33o 26' 55"1 55".5 (J2000.0, 串田測定) (門田測定, 末尾の値のみ)
発見前に報告されている最後の観測は 4月 5日で、この時はまだ増光していなかったようです。報告されているスペクトルの特徴からみて、新星は極大を過ぎてから発見されたと思われ、4月 5日と25日の間により明るい極大を迎えていた可能性があります。当時の写真等をお持ちの方は調べてみてください。
VSNETでもこの天体に関するページを用意しています。星図や画像、光度曲線などは逐次追加される予定です。
http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/vsnet/Novae/nsgr03.html
2003年 4月28日
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