安部さん、こぎつね座に新星らしき天体を発見

 島根県松江市の安部裕史 (あべひろし) さんが、8月8日 (世界時、以下同) 、デジタルカメラを用いて撮影した画像から、こぎつね座に9.5等の新星らしき天体を発見しました。この発見は中野主一 (なかのしゅいち) さんを通じて国際天文学連合に報告されました。

 安部さんによって発見された新天体の発見日時と等級です。

発見日時: 2007年8月8日13時頃
等級: 9.5等

 埼玉県の門田健一 (かどたけんいち) さんが、ご自身で撮影した画像から測定したこの天体の位置は、次のとおりです。

赤経  19時54分24.64秒
赤緯 +20度52分51.9 秒 (2000年分点)

 安部さんが7月23、31日、8月4日に撮影した写真では、この位置に天体は写っていませんでした。新天体とよく一致する位置には18等の天体があり、この天体が今回増光した可能性も考えられます。

 新天体が新星であるかどうかは、今のところ明らかにはなっていません。今後の光度変化の追跡や、スペクトル観測などが待たれます。

 安部さんは、これまでに多くの小惑星を発見してきたベテランのアマチュア天文家です。新星を発見したのは今回が初めてとなります。

 日本人の活躍による新星発見が続いています。今年は日本人によって、M31に出現した新星2個を含めてすでに7個の新星が発見されており、この天体が新星であれば8個目となります。

参照:

2007年8月9日           国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)