惑星ぜんぶ見ようよ☆キャンペーン

 昨年の国際天文学連合総会で「惑星の定義」が採択され、冥王星が準惑星となり、太陽系の惑星は海王星までの8個となったのは記憶に新しいことでしょう。

 実は、そのせいで惑星すべてを眺めるのが、とても容易になりました。これまで最も暗い惑星であった冥王星は14等と、大型の望遠鏡でもなかなか観察が困難だったからです。これに対して、海王星は約8等と、その位置さえ間違えなければ、小口径の天体望遠鏡で眺めることができます。天王星は約6等なので、さらに明るく、双眼鏡でも簡単に見ることができるのです。

 そんなわけで、国立天文台と日本望遠鏡工業会とが一緒になって、この6月の内惑星ウィークキャンペーン (国立天文台 アストロ・トピックス (300) )を皮切りに、「惑星ぜんぶ見ようよ☆」キャンペーンが始まっています。地球以外の7つの惑星すべてが比較的簡単に見えることをアピールし、おもしろさと同時に実際に望遠鏡や双眼鏡で眺めてもらおう、というものです。眺めた日時を自己申告すれば、国立天文台長から認定証が発行される仕組みです。この認定証は、難易度に応じて、金星、火星、木星、土星を眺めた人には銅メダル、水星を加えて銀メダル、全部見た人には金メダルとなります。

 このキャンペーンそのものは、来年の5月31日まで続きますので、それまでの間に難易度の高い惑星を見るチャンスは巡ってきます。ぜひ「惑星ぜんぶ見ようよ☆」キャンペーンのホームページへアクセスして、参加登録してください。各惑星の「いつ見る?」のコーナーや、実際の眺め方、観望好期一覧表など、さまざまな情報が網羅されています。

 ちょうど、7月中旬には日没後の西の空には金星と土星が、また南の空には木星が見えています。さらに、深夜には天王星、海王星が南東の空に見え、東の空には火星が昇ってきますし、明け方の地平線近くには水星が輝いています。もしかすると、この時期、一晩で金メダルという人が出現するかもしれません。

参照:

2007年7月17日           国立天文台・広報室

転載:ふくはらなおひと(福原直人)