9月3日に新星と超新星を発見したばかりの山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんが、9月18日(世界時)に、約16.3等星の超新星を発見しました。 この超新星は、りゅう座方向にある銀河NGC 3147の中にあり、口径60センチメートルの反射式望遠鏡(f/5.7)にCCDを据付けて撮影された多数の画像の中か ら発見されました。
この発見は、兵庫県の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合電報中央局に報告され、超新星「2006gi」と命名されました。
以下は板垣さんによって発見された超新星の観測値です。
超新星「2006gi」が発見された日時と等級と位置 | |
発見日: | 2006年9月18.78日=9月18日18時43分 (世界時) 16.3等星 |
赤 経: | 10時16分46.76秒 |
赤 緯: | +73度26分26.4秒 (2000年分点) |
この天体は、NGC 3147銀河の中心核位置から、西に約30秒角、北に約2分24秒角ほど離れたところにあります。板垣さんは発見後の9月19日にもこの天体 を観測しており、そのときの明るさは16.4等星でした。また、今年の3月22日、6月3日にもここの位置を観測していますが、その画像にはこの天体は写ってい ませんでした。発見された超新星は、まだ分光観測がされていないので、どのようなタイプの超新星なのか分かりませんが、今後分光による追跡観測が期待 されます。
因みにこの銀河では、1997年4月、英国のS.ローリ(Stephen Laurie)さんによって、約16等星の超新星「1997bq」が発見されています。
板垣さんご自身による超新星の発見はこれで今月に入り2個目となり、通算では新星を除けば超新星発見数(独立発見を含む)は合計22個となりました。日 本人アマチュア天文家による超新星発見個数の最多記録をさらに更新中です。
2006年9月21日 国立天文台・広報室